スクワランとスクワレン
無色透明で味も匂いもない油、スクワラン。
保湿成分や日焼け止めとして広く使われています(単品の他、化粧品やボディクリームにも配合)。
スクワランは、スクワレンの二重結合の部分を水素化して作ります。
こんな構造をしています。
化学を専門としている方なら、一目で油状物質だと分かると思います。
*スクアレン、スクアランとも呼びます。
スクワレンはサメの肝油に含まれている物質で、水よりも比重が小さいです(0.858 g/cm3)。
サメは浮袋を持ちません。しかし、比重の小さなスクワレンによって浮くことが出来るんです。
このスクワレンは、人の体内でも作られ、皮脂の成分となっています。
そのため、肌に塗布して乾燥を防ぐために使われています。
スクワレンを水素化したスクワランは、反応するものが何も無いため、劣化しません。ということは、肌への刺激もありません。
スクワランが他のオイルと違うのは、サラサラとしていて肌になじむという点です。
何度か使ったことがありますが、手に擦り込むようにすると皮膚に浸透していきます。
冬の乾燥する時期に効果的です。
*日焼け止めの効果は検証したことがないのでよく分かりません。少しは効果があると考えられますが、過度な期待はしない方が良いと思います。
スクワランは体内でワクチンを輸送する補助剤としても使われます。スクワレンの方は二重結合をもっているため、他の化学物質を作るために利用されます。
一番多いのは、やはり保湿剤としての利用ですね。
日本が最大の消費国です。
しかし、スクワレンは高価なため、肝油(スクワレン)を狙った鮫の乱獲が絶えず、鮫の三分一の種が絶滅の危機にあります(他の理由もあります)。
そのため、サトウキビから作る方法などが開発され、代替が進められています。
他に、オリーブにもスクワレンが含まれており、オリーブから取ったスクワレンを水素化したスクワランも市販されています。
と言っても、オリーブに含まれるスクワレンは僅かなため、オリーブだけで全世界の需要をカバーするのは不可能です。
前述したサトウキビなどから作る方法が進められているので、量産化で価格が下がる事を期待しています。そうなれば、鮫の絶滅危惧種を救うことが出来るかもしれません。
スクワランは高価ですが、以下の無印良品のオリーブスクワランが安価でお勧めです。
おそらく、高額なものより純度が低いと思われます。
ただ、保湿効果は高額の物と変わりません。
高価なものはよりサラサラとしていて、肌に馴染み易いですね。
僕は仕事で何度か扱ったことがあるので、高額なものも試したことがあります(100mlで1万円以上します...)。
前述したように使用感は違いますが、保湿効果は変わりません。
手を洗った後や外出するときなど、こまめに使うことで手指のヒビや「ささくれ」を防ぐことが出来るので重宝します。無色透明でにおいも何もないところが良いんですよね。
*稀に肌に合わない方もおられます。ご紹介したオリーブスクワランは、50mlの少量タイプもあるので、まずそちらで試すのもありだと思います。