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加熱で固まるメチルセルロース
水を含むハイドロゲルの多くは、熱を加えると溶けるか、柔らかくなります。
例えば、ゼラチンや寒天のゲルは熱を加えると溶けますよね。
メチルセルロースは逆で、加熱することでゲル化します。
最初は流動性のある水溶液ですが、80℃に加熱するとゲル化し、流動性を失います(写真中央)。
そして、冷やすとゲル化が解けて元に戻ります(写真右)。
メチルセルロースは図のような構造をした多糖類の一種で、セルロースを修飾することで作られます。CH3の数が多いほど低い温度でゲル化します(Rの部分をHからCH3に変換している)。
加熱するとメチルセルロースと水の水素結合が切れ、メトキシ基(-O-CH3)どうしが疎水性相互作用で集まってネットワークを形成 → ゲル化すると考えられています。60℃付近でゲル化するものと、40℃付近でゲル化するものが多いです。今回は60℃付近でゲル化するものを使っています。
動画では5wt%(重量%)の水溶液を作っていますが、かなり溶け難いです。
溶かすなら2wt%以下が賢明だと思います。それでも溶かすの大変です...
メチルセルロースは食品添加物のため、増粘安定剤・増粘剤としてソースや化粧品に使用されています。
加熱するとゲル化するため、温めても溶けないホットアイスクリームにも応用されています。
少量での販売は稀で、販売しているところも少ないです。
食品添加物グレードだと以下の商品くらいですね。商品ページにメチルセルロースを溶かすコツや、ホットアイスクリームの作り方も載っています。
もっと安い物もありますが、そういう商品は食品添加物グレードではありません。
ちなみに、カルボキシメチルセルロース(CMC)は構造が似ているだけで、性質は全く違います。間違えないように注意して下さい。
熱してゲル化し、冷えると元に戻るその様はとても面白いです。
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