加硫(かりゅう)
加硫(かりゅう)とは、ゴムなどのポリマー(高分子)に硫黄を加えることで、分子の鎖同士を架橋させる処理のことです。
この処理によって、ゴムなどの高分子材料の物性や特性を改善し、強度や耐熱性、耐摩耗性が向上します。
*加硫の結果、硫黄結合による網目構造が形成されます。
加硫は一般的にゴム製品の製造に使用されますが、他のポリマー(高分子)材料にも応用されることがあります。加硫のプロセスは、硫黄の他にも加硫促進剤や加硫剤と呼ばれる補助剤が使用され、熱や圧力をかけることで化学反応を促して架橋が進行します。
*ゴム業界では、硫黄以外の物質で架橋した場合も加硫と呼ぶことが多いです。
加硫は1839年、アメリカのチャールズ・グッドイヤーが発見しました。そして、その架橋反応の仕組みは、1843年にイギリスのトーマス・ハンコックが解明しています。
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