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歴史と科学 Vol.9 ~ガラスの歩んできた道①~

古くから使わている材料、ガラス。
いつから作られ、どんなものに使われてきたのか。
その用途や製法を中心に、ガラスの歴史を紐解きます。
今回は石器時代から古代にかけての、ガラスの歴史について解説します。
*思ったより長くなったので、二回に分けることにしました。

小樽観光協会HP:https://otaru.gr.jp/guidemap/glass-otaru

ガラスのはじまり

ガラスのはじまりは紀元前5千年~紀元前4千年のメソポタミアと考えられています。この頃のメソポタミアの遺跡からガラス玉が発見されています。
しかし、これはエジプトのガラス製品のコピーではないかとも言われています。
そのため、古代エジプトで作られたのが最初とも考えられていますが、確かなことは分かっていません。
また、焼き物や青銅器を作る過程で偶然できたガラス玉のため、厳密には作ったとは言えない、とも考えられています。
はっきりと言えるのは、紀元前4千年頃のメソポタミアとエジプトに人工的に作られたガラスが存在したということくらいです(意図的に作ったかどうかはさておき)。

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