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私の愛するメインバンク 新人編

高校を卒業して地方銀行に就職
新人研修を受けて、いざ支店に配属

まず新人は札勘(お金を数える)と計算機の練習をする。札勘は模擬紙幣(普通の紙、子供銀行のお札みたいなもの)を使って練習。札勘には縦勘とお札を横に扇状に広げて数える横勘があります。私は圧倒的に横勘が苦手。どうしても綺麗にお札を広げられない。先輩が見守る中、お札を見ながら札勘の練習をしていると、どんどん目が疲れてくる。何か違うものを見て気を紛らわせようと思っていた矢先、先輩が「どうして俺の顔を見ながら札勘してるの?」と私に問いかけた。いけない!!ついうっかり見てしまった。「すいません・・(お札を見ていると飽きちゃうので他のものを見てました・・と心の中で呟く)」

札勘と計算機は試験があり、それをクリアしないといけない。実際の試験は本物の紙幣で行われるので、実際のお札の感覚に慣れた方がいいよという先輩のアドバイスを受け、初めての給料のうち10万円分を1,000円札 100枚に両替して自宅でも練習。練習用のお札に手をつけてはならないと思いつつ、そのお金でアイスを買ったり、お菓子を買ったりしてしまい、少しずつお金が減っていく。ずっと模擬紙幣で練習していたから、本物の紙幣ですると当たり前のことだけど全然感覚が違う。冗談半分、本気半分の気持ちで先輩に「模擬紙幣で試験を受けることは難しいですよね・・」と言ってみたものの、見事に撃沈。そりゃそうですよね。紆余曲折をしながらなんとか札勘試験に合格しました。

計算機はそろばん2級のテキストを使って、制限時間内に10問中8問正解で合格。こちらは札勘試験よりもすんなり合格できました。

先輩は次にこう問いかけた。「次は1から9まで紙に書いてみて」えっ、1から9まで書く?これって何の練習なの?そう思いながら1、2、3・・と数字を書いた。書いた後に同期入行の人の紙をチラッと見たら「壱、弍、参・・・」と書いてある。しまった!!そういうことか・・・気づいた時には遅かった。先輩が私の紙を見て「こらこらーそういうことじゃないだろう」毎日がこんな状態だった。

高校を卒業して社会の大変さを知る。支店で配属が決まり、年の離れた厳しい先輩に鍛えられる毎日。そんな時に慰めてくれるのは両親と思うだろう。こんなこともあって、あんなこともあって怒られて・・・なんてことを訴えても「お金を頂いて働くということはそういうことだよ」「ありがとうございます!という気持ちで怒られてこい」とスパルタ教育(笑)でもそこで心が強くなった。初めての支店長面談では「君は根性がある!結婚してもどんなお姑さんともうまくやっていけるよ」とお墨付きを頂く。

銀行の仕事は時間に追われ、ミスも出来ない緊張感のある大変な仕事でした。でも一緒に働く人達は個性的で温かかった。厳しい先輩に鍛えられているのをみて、さりげなくフォローしてくれる。仕事終わりにみんなでご飯を食べに行ったり、職場の人の結婚式の余興のために、業務後に支店のスタッフみんなで歌って踊る練習もした。いろんな上司がいて、いろんな先輩がいて本当に楽しかった。

銀行を辞めてからも銀行時代の先輩たちと交流がある。私にとってこの銀行は私を1から育ててくれた職場。いろいろな経験ができて本当に感謝しかない。私のメインバンクは私を育ててくれたこの銀行です。

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