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2024年に1巻が発売されたおすすめ漫画
ついに年間のKindle購入冊数が1000を超えました。
そして購入の時に付与されたポイントが10万以上あるらしい。金額考えるとどうしたもんかなと思いつつも来年も脊髄反射で購入ボタンを押すんだろうなあ。
ということで今年もやります。
読んだ数が多いから必然的に紹介する数も多いです。なのでシンプルにジャンルごとに行こうと思います!!
ファンタジー
イズミと竜の図鑑
とてもわくわくするファンタジーで、児童向けの海外のファンタジー小説を久々に読んだ気持ちになるような作品。
竜や冒険者のいる世界で、冒険者向けの書籍の編集者である女性とその護衛の冒険者が、「竜の図鑑」の改訂版の発行のために竜の生体を調査しにいくというのが基本的なストーリーです。
この漫画は絵がすごいのももちろんあるんだけど、なにより世界観の説明がとてもうまいです。例えばこういうファンタジーでは種族差別はよくあると思うんですが、それを説明するのではなく何気ない一コマの登場人物のしぐさだけで表したりして、この世界のあり方や文化みたいなのがすごく感じられる。
あと竜は単純なドラゴンみたいな生き物ではなく「人知の及ばないよくわからない巨大な生物」のことを総じて竜と呼んでいて、その生態にもロマンが詰まっているし、世界の構築がめちゃくちゃ緻密なおかげでページをめくるたびに一緒に冒険しているような興奮がそこにある。
今年の一押しです。カドコミで序盤が読める。
既刊2巻。
廻天のアルバス
サンデーはこういう丁寧に練られた良作が最近多いですね。
神の啓示を受けた勇者アルバスが魔王討伐の旅に出るところから話が始まるが、アルバスはなぜかとても急いでいる。
話を聞くに、アルバスは死に戻りの能力を持っていて35回のループですでに魔王を討伐したこともあるのだという。ただ討伐に何年もかかったせいで魔王による世界への被害は甚大だった。
魔王討伐には速さも大事だと気付いたアルバスは、最良の未来のために魔王討伐RTAをするぜ!!といった話。
一応設定自体は他にも類似の作品がありそうな感じなんだけど、逆パートとの緩急、キャラクターの表情の良さ、1巻の構成の良さあたりが際立っていてとても面白いです。
ただ1巻まるっとこの話のプロローグみたいな感じではある。
冒頭はサンデーうぇぶりで読めるけど是非単行本で読んで欲しい。
既刊2巻。
ラピスの心臓
なろう原作みたいだけど、転生チートものではなく王道よりのハイファンタジーもの。主人公が他の人よりも単純な戦闘能力として強い部分は少しだけチート要素もあるかも…?
基本のストーリーは主人公のシュオウが世界を見るために冒険を始め、その中で最初傭兵として雇われるところから始まる。そして護衛任務が始まり…といった展開。
けどまだ物語の序盤でこの話がどういう話なのかというのはいまいち語られていないのでどういう展開になっていくのかは正直わからない。
ただ感想とかあらすじとかの情報を拾うに、傭兵として活躍して名をあげていく英雄譚っぽい感じになりそうではある。今やってる部分は「無名編」だしね。
絵も綺麗だし戦闘シーンもかっこいいし、純粋にファンタジーとして面白いし、原作的には今後もっと面白くなっていくらしいのでとても楽しみな作品。
文春のサイトでは無料公開とかはやってなさそうだけど、ピッコマとかで序盤が読めそうです。
既刊2巻。
氷核のメテオリア
蒸気機関が発達した世界で、借金のために炭鉱夫をやっていた主人公。炭鉱夫は命がけかつ環境が劣悪なので、そこから抜け出すために勉学に日々励んでいた。
この勉学で得た知恵をきっかけに主人公は今後自身の世界を広げることになるんだけど、まだストーリーとしてはめちゃくちゃ序盤かつ王道展開なので手放しでめっちゃ面白い!というほどでは正直ないかなと思う。
ただそれを補って余りあるほどの見開きや大ゴマのかっこよさと圧倒的画力がすさまじいです。アクションシーンもいい。
1話が大ボリュームだし今なら7話くらいまで無料で読めるのでぜひ読んでみて欲しい。
Webアクションで読めるよ。既刊1巻。
ニセモノの錬金術師
異世界転生で錬金術師を選んだ青年が異世界でなんとか生きていこうとする話。
生活のために奴隷を買う、あたりまではよくある展開ではあるけど、そこからこの漫画の良さが出てくると思う。とにかく登場人物の自頭が基本的にいい。
どういうことがというと、発言に裏や意図がきちんとある。相手を見極めるために罠を張るしセリフ回しやものの言い方に気を使っている印象を受ける。
加えて世界観もしっかり練られていてルールがきちんと制定されている。そのおかげで今後のバトル展開においてきちんと戦略を練り知識で対抗するということが無理なく行われていて、そのあたりの細やかさが気持ちいい作品です。話も面白い。
カドコミで序盤が読めるし、なんなら原作の杉浦さんが無料ラフ版としてKindleにかなりの量のストーリーを公開しているので話だけ気になればそちらでも読める。
ただ絵も丁寧で綺麗なのでできればカドコミ連載版を読んで欲しい気持ち!
既刊3巻。
クライマックスネクロマンス
水上悟志ファンキッズなのですぐ読んじゃう。
去年紹介した最果てのソルテもそうなんだけど、水上さんは本当にテーマや設定の料理方法がうますぎる。
世界の崩壊を願うネクロマンサーが、崩壊のチート能力を持った異世界人を召喚しようとしていた。それを阻止しようとしていた人間陣営のネクロマンサーの努力の甲斐もあり、異世界人は悪のネクロマンサーを討伐するのに力を貸してくれるのだが、その過程で異世界人もネクロマンサーになってしまう。
世界は平和にはなったがネクロマンサーは全て滅ぼす必要がある…だがチート能力者をどうやって倒せばいいんだ?!という話。
全体的にキャラもかわいく表情もいいし、絵もうまい。続きがすごく気になる作品です。
Xで1話が読める。既刊1巻。
SF
浮力の本 幻想集
今年一番出会えてよかった作家さんかもしれない。
幻想集という本をテーマにした作品を今年2冊出されていて、それの2冊目です。1冊目は短編集で、こっちは長編。
たまたま見かけてセールで安くなっていたのと表紙に刺さるものがあり買い、読んで著作をすべて買いました。
実際の話の内容というよりは、特殊な世界観にも関わらず「こういうもの」として淡々と進んでいく静謐な空気感と、ずっとそこにある不穏な雰囲気。
読み味は固いんだけど清々しい読了感というか、漫画なんだけど詩を詠んでいるような、加えて哲学的な側面もある。
これを言い表せる言葉を自分は持っていないです。
序盤をXにて公開されているので、この冒頭で惹かれるものがある場合はぜひ読んで欲しい。そうでなかったら多分面白くはないと思います。
体に埋め込まれた本により、浮力を得て宙に浮く。① pic.twitter.com/gFUVpVb7Nt
— 黒谷知也 新刊『浮力の本 幻想集』9月1日発売 (@kuroyatomoya) September 7, 2024
1冊目に収録されている掌編も公開されていたりするのでお試しがてらぜひ。
不思議なドリップコーヒーは、「ありがとう」や「さようなら」などパッケージに書かれた言葉の感情を喚起する。①#漫画が読めるハッシュタグ
— 黒谷知也 新刊『浮力の本 幻想集』9月1日発売 (@kuroyatomoya) June 16, 2024
新刊『書雨 幻想集』発売です。よろしくお願い致します。https://t.co/Q2bEN7ZUPn pic.twitter.com/M5PauX7m0Z
南緯六〇度線の約束
東京トイボックスのうめ先生の新作。こういう方向も行けたんか。
南極観測隊をモチーフにした歴史改変SFものです。
戦後の日本で、軍の人体実験施設から逃亡した兄弟はひっそりと暮らしていたが、日本も南極を目指すことになり成功例である兄弟の力が必要になり、追手がかかるところから物語が始まります。
今のところはアクションの側面が強いけど、今後南極に行った時に他の国はどうなのか、南極での観測の様子がどうなるのかなどどういう風に改変され話が広がっていくのか楽しみな作品です。
ビッコミで1話が読める。既刊2巻。
室外機 ちょめ短編集
ベースは日常なんだけど、そこで遭遇したちょっと不思議なことから始まるローファンタジーの短編集。
存在しない本を買ってしまう話や、異国のラジオが聞こえ始める話など系4編が入っています。どれも少し捻りの効いたストーリーと、書き込みが多いのにすっきりとした背景が素敵だなーと思いながらふわっと読める作品。
どれも話があったかい。
主人公たちがいい意味で個性がなく、一緒にそのローファンタジーを楽しめる感じがするのもいいですね。
自分は存在しない本を買ってしまう話の「接ぎ穂」を読んで購入に至ったので、ぜひ接ぎ穂から読んで欲しい。
Webアクションで読めるよ。
ヒューマンドラマ
ファッション!!
面白さでいえば今年一番だったかも。
ファッション業界で働いていた新藤開はある日新人デザイナーのジャンと出会う。開はとにかくファッションに対する熱量がすごく行動力がえぐい。
開はジャンと話すことで彼にも同様の熱を感じ、応援してあげたいと思うようになるし、ジャンの方も開に手伝ってもらいたいと思うようになる。徐々に開はジャンのファッションショーに携わっていき、周りも巻き込んでどんどん成功していく。
ここまではサクセスストーリーというかとてもいい話なんだけど、2話3話と読み進めていくうちに実はゲロ吐きそうなくらい気持ち悪い作品に変貌していくのだ…。
ジャンは熱量もあるしとにかく人懐っこくて人好きがするタイプ…に見えるだけでそれは彼が作っている表の顔であることを我々読者だけが知っている。
開が話しているときなどはにこにこして話を聞いているジャンだが見ていないときはめちゃくちゃ据わった目をしてるし、大事な時に遅刻はするし納期も守らない。
でも愛嬌のおかげでなんか許されているし周りが笑顔と表向きの熱量に騙されて協力しちゃうせいで次々と成功していく。でもみんなジャンに騙されているだけだから成功しているはずなのにずっと破滅に向けてカウントダウンしているだけ。怖すぎる。
登場人物にいいことや成功があっても一切喜べないなんてことがあるんだな…。
OUR FEELで序盤が読める。既刊5巻。ぜひ読んでください。
バカ女26時
アツコとユリは学生時代から反りが合わず趣味も所属グループも違ったけど、ただただ腐れ縁ではあった。
そんな二人が同窓会で久々に会ったときに、玉の輿に乗ったユリがDVを受けていることを知りアツコは衝動的にユリの夫を殺す。そして成り行きでユリと一緒にベトナムに高跳びするという逃避行もの。
成り行きとはいいつつも別に甘い感じではなく、関係性はだいぶドライ。顔のいい女の冷たい目、いいよね。
逃避行ものというシリアス感と緩急つけるかのようなコメディ、テンポのいい会話などするすると読める面白い作品です。
となりのヤングジャンプで序盤が読めるよ。既刊1巻。
ありす、宇宙までも
ありすは小さいころからバイリンガルになれるように教育を受けていたが、両親の死により教育が中途半端になったことにより英語も日本語もどちらも拙くなってしまった。
容姿がいいおかげで爪はじきにはされていないものの、天然ボケで赤ちゃんみたいと世話されるのを本人はとても恥ずかしく思っていた。
そんな中クラスメイトの犬飼と話すことによって、その天然ボケは教育が途中で止まったせいであり直すことができることを教えてもらったありすは犬飼と一緒にかしこくなるための勉強をを始める、というストーリー。
ありすが賢くなって何になりたいかと考えた時に、両親に一番近いところにいける宇宙飛行士になりたいと決めたので二人は宇宙飛行士になるという夢のような目標を掲げるものの、その目標に向けて着実に歩みを進める様が美しい。やはり売野さんの漫画はすごい好きだ…。
ありすの言葉を知って世界が広がっていく描写がとてもいい。散歩をして道端の小さな花をめでる感覚を思い出させてくれる作品です。
ビッコミで序盤が読める。既刊2巻。
戦記物(など)
TS衛生兵さんの戦場日記
なろうのコミカライズ。
FPSゲーマーだった主人公がある日転生した先は魔法はあるものの銃弾飛び交う戦争が行われている世界。
回復魔法の適正を見出された主人公は訓練する間もなく突撃部隊に編制される。命令は「部隊長を死なせないこと」ただそれだけ。
訓練する間もなくということは訓練している暇もないくらいに兵士がバカスカ死んでいるということで、兵士のうん百人の死体で今日は50m戦線を押し戻すことができました…といったような殺伐とした泥沼の戦場でなんとか生きる話です。
1巻読んで面白かったのでなろうで連載分をぼろぼろ泣きながら全部読みました。人が…しにすぎるよ…この作品つらいことが多すぎる。
応援したかったのでノベル版も買ってます。
カドコミで序盤が読める。既刊2巻。
同志少女よ、敵を撃て
第11回アガサ・クリスティー賞を受賞したり、2022年の本屋大賞を取ったりした同名小説のコミカライズ。
独ソ戦の最中、ソ連の片田舎で暮らす少女セラフィマはある日ドイツ軍の急襲を受け村人と家族を惨殺される。自分も死ぬ寸前に母国の軍人に救われたセラフィマは敵を討つために狙撃兵になる訓練を始め…といったところから始まる戦記物。
自分は小説も読んでてすごく面白かったのでとても続きが楽しみです。ちゃんとスターリングラードに行くところ(最後)まで連載してほしい。
コミカライズ担当の鎌谷悠希さんもかなり昔の隠の王っていう作品の時から好きで絵がめちゃくちゃいいです。かつ監修の速水螺旋人さんっていう漫画家さんも好きなので最強トリプルタッグすぎる。
ハヤコミで1話が読める。既刊1巻。
関係ないけど今年ハヤコミという早川文庫のコミックレーベルが出来てめちゃくちゃうれしい。早川が一番好きなので。色々なSF小説やミステリーのコミカライズをどんどんしてほしい。まだ単行本出てないけど「そして誰もいなくなった」のコミカライズも良きです。
ジュミドロ
コロッセオで無敗の剣闘士として名を馳せていたラムネ。彼女は奴隷だったが、輸送中の事故により突如自由の身になり世界を知るために旅を始める。
ただラムネはコロッセオしか知らないため、人を殺してはいけないということを知らない。
人と関わることによって心を学ぶものの、ラムネを使って人を殺そうとする人も現れてせっかく育った情緒がなかったことにされながら結局ラムネは戦いの中に身を落としていくことになる。
今は結構行き当たりばったりに向かってくる相手を殺しているけど、今後敵味方の区別がついていくのか、ラムネがどんな旅をするのか、人を殺してはいけないということを学んだ時にどうなるのか楽しみな作品。
結構血たくさいんでるしストーリーや剣劇は重たいけど、絵柄とコマの使い方のおかげか読み口はさらりとしてて読みやすいです。
マガポケで読める。既刊1巻。
ホラー
N
オムニバス形式で色々な事件が語られていき、そのすべての現場に「N」という文字が出てくる。
Nとは一体…?それぞれの事件の関係性は…?といった雰囲気の1巻。
話のタイトルがアルファベットになっていて、Aから始まって今Lまで公開されている。これがNまで到達したらどうなるんだ??というドキドキもあって珍しくWeb連載で追ってる作品です。このペースでいくと2月か3月くらいにはNに到達するから楽しみだな。
おもしろさとしては多分Nに到達したときに答えがわかると思うけど、今のままでもぞわっとする絵が多くていい。
カドコミで1話が読める。既刊1巻。
近畿地方のある場所について
カクヨムで公開されていた同名小説のコミカライズ。
ある日友人が行方不明になった。その友人は失踪前にいろいろな怪談やおかしな体験談、事件などを調べていて、その資料を読み解くとすべての事件が近畿地方にある「●●●●●」という地域にまつわる話で…という滑り出し。
1巻は基本的にはその調べていた事件や怪談の話を紹介している形でとくに話が進むかんじはなく、続刊で行方不明になった友人がどうなったかとかの話が出てきそうではある。
表紙からわかる通り本当に絵が不気味。とりあえず1巻は短編ホラー集としてとてもいいのでカドコミで1話よんで気になればぜひ。
既刊1巻。
日常
どくだみの花咲くころ
癇癪もちクラスで浮いた存在の信楽と、優等生の清水。同じクラスの彼らは関わることがなかったけど図工の時間に信楽が作った作品が清水の琴線に触れ、信楽の観察を始めることにする、といったストーリー。
信楽も清水もとにかく人間臭すぎる。
基本的には日常ものだし少しギャグなんだけど、それぞれの特性とか多様性みたいなテーマと小学生のアホらしさがいい塩梅で噛み合ってめちゃくちゃ面白い作品になってる。愉快すぎる。
アフタヌーンで1話が読めますのでぜひに。既刊2巻。
ふつうの軽音部
今年ジャン+で連載始まった中では一押しです。
主人公のハトノが中学入って軽音部デビューしたってところから始まって、大阪のどっかにこの中学があってもおかしくないだろうなってくらい本当に普通の軽音部の日常なんだけどなんでこんなに面白いんだろう。不思議すぎる。
学生や部活特有の人間関係のごたごただったり、部内政治だったり恋愛だったり起きる問題も全部いってしまえばあるあるなのに面白い。キャラもめちゃくちゃ癖ある!って感じじゃないのにみんなキャラ立っていてなんだこれは…どうしたらこんなことができるんですか…。
ジャン+でいっぱい読めるから読んでね。既刊5巻。
平成敗残兵すみれちゃん
元売れないアイドルで現在パチヤニアルカスニートのすみれはボロアパートでプータロー生活をしていたがいとこに焚きつけられて一攫千金を狙い同人グラビアを出すことに!
アイドル時代にすみれの才能を生かせなかったやつらを見返してやろうぜ(と、いとこが息まきながら)グラビアを作って売ってぐだぐだしてる話。
今後も終わった女ばっかでてきて面白いです。すみれは本当に人間として終わってるよ…2巻でえぐいクズムーブしてた。いい時もあるけどね…嫌いにはなれないキャラクターなのすごい。
ヤンマガWebで1話読めます。あと今なんか期間限定でほぼ全話無料公開しているみたい。
既刊4巻。
ヒツジ飼いの兄妹
うなり山という獣がうなるような声が聞こえる不気味な山でひっそりと暮らす羊飼いの兄妹の話。
兄は普通の人間だけど妹は黒い毛並みを持った狼人間。
彼らは人目を避け過ごしていたが、迷子やふもとの村の人などいろいろな人が訪れることによって人と違うことに翻弄されつつもストーリーが少しずつ進んでいき、やがて一つの真実にたどり着く。
優しいんだけど心が少しキュッとするような、寒い中の焚火みたいな作品です。
PIE COMICで序盤が読めます。全2巻。
写らナイんです
ありとあらゆる怪異を引き寄せるまことと、オカルトが大好きなのに一切霊感のないみちる。
みちるのひたすら元気で良い子でアホな光の性質と、まことの怪異のせいで寝不足だったり人と関われない闇の性質がギャップになっててめちゃくちゃいい爽やかホラー青春ギャグ漫画です。
主要キャラ全員愛すべきキャラクターすぎる。かわいい。まことははじめて友達ができてよかったね…。
ホラー部分はちょっと怖いので、そこだけ注意です。
サンデーうぇぶりで1話が読めるよ。既刊2巻。
尾守つみきと奇日常。
幻人という、いわゆる亜人と人間が一緒に学園生活を送る漫画です。
幻人にはそれぞれ性質があって、例えばウェアウルフであるつみきはちょっと力が強かったり、爪が長くて靴下がすぐ破けたり、不意打ちで満月を見ると小さい遠吠えがでちゃったりする。もう一人の主人公であるゆたか自信を持てない人間で、幻人としての性質を受け入れて過ごしているつみきに少し憧れている。
基本はそんな二人のふんわりとしたラブコメなんだけど、成長譚としての側面もあるのがいいですね。
二人の周りの幻人達も自分の性質で生きにくさを感じていたりしてみんなどこかコンプレックスがあったりアイデンティティに悩んでいたりする。
そんな彼らが学園生活を過ごして関わっていくことで少しずつ自分の感情に気付いてそれをどうしようもない性質とは関係ない、彼ら自身の個性として積み上げていくような、結晶を育てていっているみたいな大切さがある作品です。
こんなことを考えなくてもふんわり面白く読めてとてもおすすめ!
サンデーうぇぶりで1話読めるよ、既刊4巻。
えをかくふたり
画家と、その家にやってきた絵を描くAIロボットの話。
生成AIみたいな話ではなく、彼らにとって絵を描くことは対話であり、記憶であり、生活の一部でしかない。
そんな二人の穏やかな暮らしが手触りのよさそうで温かみのある絵で描かれていて、舞台が海辺の町なんだけど磯の香でも漂ってきそうな感じでいい漫画でした。紙でも読みたいな。
1巻で連載が終わってしまったらしいので続きが出ないことが残念ですが、1巻だけでも面白いのでぜひ。
ゲッサンで1話が読めます。
ということで23作品紹介させてもらいましたが、今年も少女漫画が全然読めなかった…。面白いのがあれば教えてください。
また来年も面白い漫画がいっぱい読めますよーに。