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【イタリア生活】外国人向けの市民講習がある意味期待通り過ぎた

役所での手続きって、多かれ少なかれどこでも面倒だったり、煩雑だったり、時間がかかったりしますよね。

外国人だったら尚更。

イタリアも例にもれずなのですが、
先日受講した、外国人がイタリアに長期滞在するにあたって受けないといけない市民研修がまさにその典型!っていう感じでした。

既に受講した先輩や友人からも、「本当につまんなかった・・・(失笑)」と聞いていたけど、終わってみたらその通り過ぎたので、記録しておこうと思います。

前提:滞在許可のための手順と要件

イタリアに3か月以上滞在する外国人は、入国したら滞在許可証を取得するための手続きをしないといけません。

ざっくりいうと、このような流れです。

1.入国後移民局で滞在許可の申請
2.郵便局で必要書類提出&支払い
3.指紋登録
4.滞在許可証受領

私たちは申請手続きをしてからおよそ半年で滞在許可証をゲット。

ちなみにここからはまた別途、IDカードとヘルスカードを取得する手続きが必要なので、道のりはまだ続きます・・

そして今回の市民研修は、「外国人としてイタリアに滞在するにあたって現地のルールや慣習を守り、善良な市民として生きていきましょうね」という趣旨の、半日がかりの研修です。

おそらくどの国にも似たような仕組みがあるのかなと。

免許みたいな点数システムで、これを受講しないと点数が引かれてしまい、たとえば滞在期間を延ばしたいときにペナルティがあったりする模様。

ちなみに、受講日は入国して最初に滞在許可申請をした3月の時点で約半年先の日付を指定されました。

自分で受講日を変更できるようなシステムもなく、キャンセルした場合もその先いつ予約できるかがわかりません。

というわけでこの予定を最優先にして、受講してきました。

着いたらいきなり始まる

朝8:30に指定場所に着くと、やんちゃそうなおじさんのスタッフから「必要書類を手元に用意してついてきな」的なことをイタリア語で呼びかけられ、その場に集まった他の参加者10人程とともに、PCがたくさんある部屋に連れていかれます。

部屋に入ると、荷物置き場に荷物を置くように言われ、一人ずつPCの前の席に案内されます。

おじさんに「何語?」と聞かれ、「日本語はあるか」と答えると、「日本語はない。英語でよいな?イヤホンはこれだ」と言われ、気づいたら動画が再生されていました。

そして全員に向けて「この講習は2時までだ」

説明は以上。笑

今日の流れとか、手元に置いていいものとか、トイレとか休憩はあるのかとか、とくに何も説明なし。

まわりのみんなも「・・・?」の表情(だった気がする笑)

その都度なにかあったら聞く、または何か間違ったことをしていたら指摘されるスタイル。

たとえば私は水筒を机に置いてたら、「中身がこぼれたらPCが故障する可能性があるから」という理由で床に置きなさいと言われました・・・謎

聞かせる気がない動画講習

まあそんなもんか、、と思いながらいざ動画を視聴。

ところが、イヤホンが飛行機内で渡されるような使い捨てのタイプで、音量が小さくて聞きとりづらい。

が、設定音量はMAX。

隣の人も困っていたようでスタッフにヘルプを仰ぐも、「これが最大だな」のコメントのみ。

おまけに窓が開いていて外の車の音がうるさいし、スタッフ同士も構わず大声で話してて余計に聞き取れない。

動画では男女のペアが対話しながらイタリア生活における知識や心得を説明しているっぽいけど、音がないとただ口パクしている男女にしか見えません。

見ないといけない動画は、1本あたり約1時間で、計5本。

5時間これか、、と先が思いやられます。

でも不思議、途中から外の交通量が減ったのか、耳が慣れたのか、聞こえやすくなりました。笑

でも巡回はちゃんとしている

スタッフが何人かで交代しながら試験監督的な感じで巡回してるので、スマホ見るとか他のことはできません。

ふと斜めに座っている夫をみると、早速ウトウト。

するとやんちゃおじさんスタッフが二人がかりで夫に近寄り、机をドンッ。

「おーいっ、寝ないでちゃんと見ろよ~」といたずらっぽく注意を受けていました。

これには周りの参加者もくすくす笑い。

おいおい夫よ、、と呆れながら、これで寝ることもできないな、とさらに途方に暮れることになりました。

いろいろつっこみたくなりながらも無事終了、そして最後まで陽気なイタリア人

そんな調子なので、私は手持ち無沙汰対策としてメモも取りつつ、ちゃんと聞こうとがんばります。

動画内容は、イタリアの憲法や法律、基本的な権利、移民が必要な手続き、仕事、教育、社会保障、福祉、住まい、といった確かに知っておいた方が良い内容なのはわかるんだけど、、

だとしたら、もうすこーし工夫してもいいんじゃないかと思うことも。

以下まとめます。

  • 5時間はとにかく長い。そして動画をすべて見終わっても、言語によって終了時間にかなり差があり、全員が終わりかつ時間になるまで帰れない。

  • 視覚資料がほとんどなく、ほぼ話を聞くだけの時間なので修行のよう。
    時折、スライドが出てきて「おっ」て思うのに表示時間が短くてインプットできない(一時停止はできるけど)。しかもサイトのURLが多い。

  • 20言語に対応しているのはすばらしい。しかも吹替とかじゃなくて、実際にその国の人が出演している。
    (つまり映像として20バージョンの動画がある)
    ただ上述の通り言語によって動画の長さにだいぶばらつきがあり、隣でアラビア語の動画を視聴していた人は、私より40分ぐらい長くかかってた。
    吹替とか字幕対応の方がコストもかからないし効率もいいんじゃないかと思っちゃうけど、そこは多文化とか聞きやすさに配慮しているのか?

  • そもそもこの講座を受ける時点で入国して半年以上経過しているので、今更?という内容も割とある。
    移民局も逼迫してるのだろうけど、もう少しプロセス自体早くできないものなのか

そんな感じのことをあれこれ考えていたら、長かった時間もなんやかんやで終わりました。

実際の内容の中で、一番へぇ~って思ったのは、
イタリアへの移民で最も多い国籍は圧倒的にルーマニアだということ。

そして帰り際、ウトウト夫を起こしたスタッフが
「お!おまえは寝ていたやつだな!ちゃんと見たか?ハッハッハ~~!チャオチャオ!」と肩をポンポンたたきながら見送ってきました。

長かったー、役所仕事が疎まれるのってこういうのがあるからだよなー
なんて考えていたけど、最後はイタリア人の陽気っぷりになんだか拍子抜けしてしまいどうでもよくなるというイタリアあるある現象も味わいました。

次の手続きも滞りなく進みますように!


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