2月某日 初めてのソロジャーナル
文章を書いたり読んだりしている今日この頃。いつもは一人で黙々と文字と向き合っていることが多いのだが、たまにTRPGで遊ぶと”他人”の存在がありがたく感じる。読む本も自分の意思で決め、自分の中で構築していく小説を書いていると、どうにも”他人”に飢えてくる。なんでもない雑談でも構わない、外の意見に触れたい、そう思っていた時にたどり着いたのがソロジャーナルである。
ソロジャーナルとは
ソロジャーナルとは、ダイスを振ったりトランプをめくったりしながら決められた世界観の中で物語を紡いでいく遊びである。結末は用意されていたり用意されていなかったりするらしい。今回のルールブックは結末はなく、物語を膨らませていける仕様になっていた。
TRPGと違う点は、
・一人で遊ぶこと
・何度でも遊べること
・記録がメインであること
であると思っている。実際に遊んでみて感じたことなので正確ではないかもしれない。
こちらの記事が詳しいので、もっと知りたい方は参照するとよいだろう。
『薬草魔術師の調合机』 プレイログ
今回遊んだルールブックは志紀綾燈さんの『薬草魔術師の調合机』だ。薬草を扱う魔術師として、薬の調合をしたり、薬草を栽培したりした結果を記録するゲームだ。6面ダイスを3つとトランプを1セット使う。私はダイスをWEBのツールを利用し、トランプは家にあるものを使った。
以下、ルールブックを参照しながらざっくりとした流れを説明する。
キャラクター作成
まず、キャラクター作成を行う。名前や背格好などを決めるのが大の苦手な私にとって、外見や性格までランダムに設定できるのがありがたかった。物語のキーとなる能力値も悩める方へのアドバイスが書かれているため、キャラクターを作るのが苦手な人も気軽に遊べると思う。TRPGを遊んでいる身としては、性別の設定はしなくていいのが新鮮だった。確かに記録するだけであれば不要なものだ。
ここでできたキャラクター設定に付け加えてもいいし、そのまま始めてもいい。ちなみに私は過去を付け加えた。
このようなキャラクターが出来上がった。鱗を持ちながら瞳孔が縦長、瞳が金、と蛇っぽい子になった。ランダムだけれど揃ってくれると嬉しいものがある。
薬の調合・薬草栽培
次に、今日することを選ぶ。できることは3つ用意されていて、
①薬の調合実験
②依頼書の薬の調合
③薬草の栽培実験
となっている。このうち、①と③の選択肢で遊んだ。
調合実験では材料を選ぶところから始まる。色や形状のみダイスで決めるため、どんな材料なのかを具体的にするのも楽しい。配合する量をそれぞれ算出して、いざ調合! 〈生成判定〉を行う。このときに使う能力値は手法によって決める。ここで成功したからといって気を抜いてはいけない。薬の形状を決めてから、〈耐毒判定〉を行う。ここで失敗するとキャラクターが倒れてしまうかもしれない。無事に成功すると、薬の効果や香り・味を決める。最後に薬効と毒性が決まる。薬として使えるかどうかは最後の判定にかかっているといっていい。キャラクターは倒れなかったとしても、一般の人たちが耐えられるかどうかはまた別の問題だからだ。
このように薬を調合していくのはとても楽しい作業だった。かなり自由度が高く、材料の量や調合方法を記録するとレシピのようになる。レシピ集を作ってみても面白いかもしれない。
薬草の栽培実験は、調合する材料を新たに作る遊びだ。薬効や毒性を決めるまでの手順は似ているが、植物の特徴を考えたり、名前を付けたりするのはまた別の楽しさがあった。
今現在は拡張ルールとして使い魔を作成したり、カボチャを作ったりもできるらしい。新しい遊び方も増えて当分飽きなさそうだ。
感想
今回はファンタジックなルールブックで遊んでみたが、ホラーや冒険ものなど多種多様なルールブックがあるようだ。文字で記録し、世界観にしっとりと浸ることができるソロジャーナルは、一人の時間をより楽しみたい人にはいい遊びだと思う。デジタルデバイスで記録することもできるが、なんとなく手書きで遊びたくなるものが多い。いつか使おうと大事にとっておいたノートを使ういい機会ができた。
一人で煮詰まっているけれど他人を巻き込む元気もない、というときにぴったりな遊びである。