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7月某日 夏生まれの性

 私は夏が嫌いだ。それなのに夏が来ると、否応なく元気になるのはなぜだろうか。私が夏に生まれたからだろうか。本当に謎なのだが、暑くなってくると活動が増えるのは間違いない。日が昇ると間もなく目が覚め、夕方になっても体力を持て余して踊っている。

 反対に、夫は暑さにすこぶる弱い。外に出るのも嫌がるし、へとへとになって帰ってくる。大体の人間が夫のようだと感じている。

 そもそも私が夏を嫌っているのは、汗をかくからだ。油脂が多い肌なので、汗をかくと臭う。暑いからというより、暑さがもたらす結果が嫌いなのだ。だから、暑さには比較的強い方だと思う。中国地方の街で暮らしていたときも、外に出るときは長袖の上着を羽織っていた。暑さより、店内の冷えた空気に弱かったからだ。クーラーでキンキンに冷やされた場所から外に出るとほっとしてしまうくらい。

 さすがに直射日光増し増しの日中に外出したいとは思わないが、日差しが弱まった頃であれば出てもそこまでのダメージはない。汗っかきであると同時に冷えた空気ですぐ乾くのがいいのかもしれない。気温が上昇したときの体温調節がうまい、というのは一種の才能である気がしてきた。

 寒い冬より暑い夏の方が身体が軽い。いつもの数倍は早く動けている気がする。これは、心身共に回復してきているとみていいのだろうか。

 そろそろ職に就く頃か、と思っている今。身体が軽いこの時期に面倒なことはすませたい。まだ自分らしい働き方は定まっていないものの、とりあえず動きたい気持ちが勝っている。回復期というのはそういうものなのか。

 考えるより先に動く。夏は私に生きる原動力を連れてくる。

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