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7月某日 私に似合う色とは

 オフィスカジュアルについて調べていたはずが、パーソナルカラーの森に迷い込んでいた。近々遠出をする予定もあり、どんな服装が似合っているのかを客観的に知りたくなったのだ。ひとまず自己判断の範囲なので違っている可能性もあるのだが、ひとまず書き残しておこうと思う。

 パーソナルカラーはWEBで簡単に診断できる。その結果、私は「ブルベ冬」が当てはまるようだった。透けて見える血管は見るからに青いし、「それ地毛?」と言われるほど髪色は黒くて艶々している。実際、紺や黒、白などモノトーンの色合いばかり着ていて、黒のワンピースを着た時も「似合う」と言われたし、前につけていた眼鏡は濃いブラウンに紫色のアクセントカラーが入っていた。だが、いざ「ブルベ冬」だと言われても正直そんなにかっこいいタイプではないと思ってしまった。そりゃあ、私服もオフィスカジュアルのようなシンプルでかっちりしたものばかりだし(これは顔と骨格も関係しているだろう)、言われてみればそうなのだが、なんせ背が低いのである。似合うものを着ていても、格好つけている気がしてならない。それ以外は逆に格好がつかないとわかっている。わかっていても、背伸びしている感は否めない。

 その意識はたぶん、周りの環境から生まれたものだろう。身近な女性といえば家族だった。祖母はフェニミンなファッション系統、母はカジュアルなファッション系統で、スーツ姿の女性はどこか遠い存在だった。だから、昔は自然と可愛らしい服装をしていたように思う。クリーム色のキュロットとか、ピンクのチェックワンピースとか。でも、その頃から映えるような黄色と水色が好きだった。そこからだんだん濃い色を選ぶようになったものの、チュニックなど中途半端な丈でふわふわしたファッションでいた。今思うとすごくダサかった。
 はっきりとした色合いを着るようになったのは、父親のアドバイスがあったからだ。真っ白なTシャツも真っ黒なスキニーパンツも鮮やかなテラコッタ色のブラウスも自分だけでは選ばなかっただろう。ターコイズブルーのダウンベストをすすめられたときは、「本気か?」と思ったしその時は信じられなくて着れなかった。父は家族の中では一番センスが良くて、母のとっておきの服(ライブ用)や私の服を選んでくれた。似合う色をきちんと選んでくれる人だった。「これがいいんじゃない?」と合わせるとちゃんと似合っているのだからすごい。真っ白なパンツを選んでくれたのも父だった。「こういうものを着てほしい」という願望を押し付けられず、自由にさせてもらったのはとても良いことだったように思う。

 私が「ブルベ冬」だということはもうわかっていた。しかし、なぜかカーキ色やオレンジ色も似合うのである。母に「濃い色も似合うけど、アースカラーも似合うからいいよね」と言われたこともある。アースカラーはアースカラーでも、薄い色はとことん苦手だ。春に買ったパステル風味の黄色のトレーナーをいまだにもてあましている。着ても、なんだか楽しくないのだ。ということは、もしかしたらメインは「ブルベ冬」で、サブに「イエベ秋」の傾向があるのでは? と思い至った。ベージュのトレンチコートが似合わなすぎてモスグリーンのトレンチコートに変え、くすんだ黄緑色のジャケットを持っていて結構お気に入りなのも「イエベ秋」の要素があるからかもしれない。
 今まで私は、似合う色は知っていたけれどそれがどの傾向に当てはまるのかを気にしてこなかった。だからメイクの色がわからず、薄そうだからという理由でピンクベージュを選んでしまっていたのだ。とある女性に「メイクしてないよね?(侮辱の意味は込められていない)」という言葉を投げかけられたのも、それが原因だろう。試しにローズ系のリップを塗ったら一気に「化粧してます」感が出て驚いた。チークをつけたら派手に浮いて見えたのもこのせいか……?

 似合う服は今までの経験でなんとなくわかっている。だから、メイクの色合いも気を遣えば垢抜けたかっこいいイメージに近づけるのではないか、なんて。ほんの少しだけわくわくしている自分がいるのは内緒の話だ。

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