スイス・ドイツ漫遊記 1日目 関空~インターラーケン
1日目 関西国際空港~インターラーケン
令和6年秋のシルバーウイークにスイス・ドイツに行ってきました。年とともに記憶の半減期が早くなり記憶容量も小さくなってきたので、ここらで文字にしておかねばと思いNoteに投稿しました。ぐだぐだの旅行記ですが、しばらくお付き合いくださいませ。
ことの発端は長浜でした。旅行の前年に長浜浪漫ビールというビアホールでソーセージとビールを飲んでいた時の話。「これ、ドイツで食べたらすごくおいしいのかもね」という妻との話からドイツ旅行企画が発動しました。その後、色々とドイツ旅行を物色したもののドイツツアーはごく僅か。イタリアやフランスの旅行は潤沢にあるのになぜだろうと思っておりましたが、実際にドイツに行ってみて得心しました。ドイツの風景はどこも同じなのです。ロマンチック街道の各都市はそれなりに風情があるものの、それらをつなぐ街道は北海道の富良野とそっくり。ガイドさんも「皆さん、そろそろ飽きてきましたか?」とバスの中での鉄板ネタの一つになっている始末です。
ドイツ旅行を物色したもののスケジュールと合致するツアーがネットでの1件のみ。選択肢がないので即申し込みです。今回お世話になったのは、阪急トラピックスの「スイスアルプス3大名峰・氷河特急とロマンチック街道9日間」という、題名に一切ドイツと書かれていないツアーです。そして飛行機等々で3日消費されるので実質6日間の忙しい旅。これが、良い意味でも悪い意味でも思い出深い旅行になるとはこの時点では夢にも思いませんでした。
さて、お待たせしましたようやく出発です。9月14日の午前9時半発の飛行機ですが、7時に関西国際空港集合です。大きなトランクを抱えて始発に乗る体力はないので、りんくうタウン駅近くのOMO関西空港に前泊。
出発当日午前7時に関西国際空港に行くと、パンチのきいた風貌の添乗員K藤さんが待っていました。場末のバーの年季の入ったママみたいな、一度見たら忘れない感じのご婦人です。矢継ぎ早に色々説明がありました。今回はミュンヘンでトランジットしてチューリヒに行き、その後バスでインターラーケンに行くという強行軍。とにかく空港で迷子にならないようにとのことです。出発まであと2時間、今から入れ込んでも疲れるだけなのでパスポートコントロールを通過してさっさとルフトハンザ航空のラウンジへ。いつもギリギリで飛行機に搭乗する癖があるので、今回が初ラウンジです。ドキドキしながら受付を済ませて、席を確保。さっそくビールサーバーを見つけて朝から一杯。朝のタダ酒ほど美味しいものはないのです。
色々つまみながらグダグダしているとあっという間に搭乗時間がやってきました。ロシアとウクライナの領空を迂回して飛ぶので従来より2時間ほど余分にかかります。今から約14時間の長旅です。
離陸するとすぐにウエルカムドリンク的なものが出てきます。シャンパンが出てきました。そして、この時期のドイツはオクトーバーフェスト開催中。オクトーバーフェスト限定のビールがあるとのことで、迷わずそれを注文。
調子に乗ってドイツ語と英語のちゃんぽんでCAさんにアルコールのお代わりをお願いしていると、なんと離陸から2時間ほどで1回目の機内食が出てきました。いきなりディナーだそうです。お味の方は流石ドイツの航空会社、割とヘビーな分量で塩も脂もマシマシです。調子に乗って飲んでいたので当然ながらほとんどおなかに入りません。もったいない話です。
食事が終わると機内が暗くなります。早く寝ろということなのでしょうが、腕時計は午後3時を示しております。寝られるわけがない。それでも、シート代の元を取らないとという貧乏根性が出てきて、フルフラットにして無理矢理寝ることにしました。熟睡とまでは行かず、仮眠程度の睡眠を取ったり映画を見たり。そして機体が黒海を超えたあたりで2回目の機内食が出てきます。日本時間で晩の9時ころでしょうか、ヨーロッパでは午後2時ころです。もうこのあたりで体内時計がバグり始めます。最後にもう一寝入りと思っても寝られずもじもじしている間に、定刻通りの現地午後4時半にミュンヘン到着しました。
到着ロビーで全員集合。ここでツアーの全貌が判明します。なんと参加者8人の小規模ツアーでした。しかし、着いて早々に2名が行方不明に。散々探し回った挙句、入国審査待ちのフロアで2名を発見。添乗員のK藤さんに大目玉を食らっていました。
ドイツの入国審査は厳しく、カバンの中の液体という液体はラベルも見ずに話も聞かずにポイポイ捨てられます。腹が立つことに、ホテルで飲もうと買っておいた未開封のウイスキーもポイです。あいつら絶対仕事終わりに山分けしているに違いないと思いました。
入国のパスポートコントロールでは、「我々はツアーなので、私がすべて対応します」というK藤さんの説明もむなしく、我々8人は別のゲートに案内されて、そこでまとめて審査されるという訳の解らない状態になりました。あちらは東洋人の顔など区別もつかないのに、みな緊張しているので違う名前にハイハイ返事をするものだから現場はカオスです。渋面で写真と顔を見比べていたものの、とうとうあきらめた職員からパスポートを8冊纏めてポイと渡されて何とか入国。厳しいのだか雑なのかよく解らない扱いで、何とか入国できました。スイスでもこれをするのかとげんなりしていたら、シェンゲン協定があるのでEU内では国境のチェックは無いとのこと。助かりました。
チューリヒへの乗り継ぎ便は広いミュンヘン空港の端の方です。入国に時間がかかったので急いで乗り継ぎゲートに向かうと、我々の乗る飛行機が10分遅れとのこと。やれやれ助かったと思っていたのですが10分経っても20分経っても一向にゲートの開く気配がありません。30分経ったところで、飛行機がまだ到着していないとのアナウンス。結局90分遅れでした。
搭乗すると、遅延のせいで半ギレのCAさんによるドイツ訛りの早口のアナウンスが始まります。それが終わるか終わらないかのうちに機体がゴリっと動き出します。滑走路での一旦停止もなくそのままの流れで離陸。京都の市バス並みに荒い操縦でようやくチューリヒ空港に到着しました。午後7時半の到着予定がなんと9時過ぎ。チューリヒはざっくり言うとスイスの右上。そこから真ん中やや左下のインターラーケンまで140㎞。ほぼ神戸から舞鶴。バスに乗ること2時間、くたくたになって今宵の宿のロイヤルセントジョージ・インターラーケンに到着しました。
格調高そうな渋い宿ですが、もうくたくた。部屋に入ると午後11時半。日本時間では現在朝の6時半。事実上の完徹です。明日の朝は6時すぎにモーニングコールが鳴るとのことなので、さっさと床に就きました。そして翌日、平和ボケした日本人に事件が起きます。
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