見出し画像

スイス・ドイツ漫遊記 4日目 ツェルマット~マッターホルン

 旅行も折り返しになりました。今日はマッターホルン観光に行きます。予報では雨だったのですが、なんと晴れ。奇跡的にユングフラウ、モンブラン、マッターホルンすべて晴れです。そして朝食はやはり7時。例によって投宿時はすでに闇夜だったのでホテル周辺の景色は不明です。さてどんな景色なのか、朝食前にホテルの前庭に出てみると、なんと少しだけ三角形のマッターホルン山頂が見えています。すでに感動。お初にお目にかかります。ガイドブックに載っているピンク色に染まる朝焼けのマッターホルンを見たかったのですが、時間が早すぎました。まだ白黒です。

木立と丘の間に少しだけ見えます

 感慨に浸る間もなくまずは朝食。さて食材はというと、インターラーケンのホテルにも増してハムだくです。ちょろっとした野菜のほかにはハムとチーズとソーセージが並んでいます。端の方にはスクランブルエッグもありました。朝からタンパク質リッチです。そりゃマッチョになるわな。忙しなく朝食を摂取して外出準備です。今日も3000mを超えるのでウルトラライトダウンは標準装備。

ハムだらけ

 まずは、ゴルナーグラード鉄道に乗ります。乗り場は昨日のツェルマット駅のはす向かい。駅までの道すがら短時間ではありますが、ツェルマットの雰囲気を満喫します。駅前広場の建物は花で飾られております。そしてその上にはマッターホルンが覗いております。

ツェルマットの駅前広場

 ゴルナーグラード鉄道は指定席ではないので早い者勝ち。中国の団体客がやってきたので、我々8人は電車の昇降口付近を固めます。電車がホームに入ってくると後ろからの圧がすごいです。ドアが開くと後ろから押されて雪崩打つように乗り込みます。この電車は進行方向右側がマストなのです。何とか8人は予定通りに右側確保です。
 電車が発車するとものの数分で右手にマッターホルンがいきなり見えてきました。特徴的な三角形の山に、写真で見た通りだと感動します。ただ、駅での先陣争いの間に朝日が昇ったようで、ピンク色ではなくなっていました。

ツェルマットの街越しのマッターホルン

 昨日のモンブランに比べて判りやすいことこの上なしです。ずーっとマッターホルンを眺めつつ電車に乗ること約30分、ゴルナーグラート展望台(3090m)に到着。流石に連日の3000m行脚にいささか疲れてきました。でもこんな所にもホテルがあるのです。沸点低いのに料理はどうしているのだろうと要らぬ心配をしてしまいます。

ゴルナーグラード展望台3090m

 展望台からは、マッターホルンが美しく見えます。先日まで雪が降っていたので、山肌には雪が積もっており、麓の秋景色との対比が美しいです。ゴルナーグラート展望台には少しだけお土産屋さんがありまして、高級時計販売店と雑貨店が少し。しかしゆっくり見て回る暇はないので、タオルやキーホルダーなど目が合ったものを急いで購入。往年の「がっちり買いまショウ」状態です。知らない若い人はググってください。しかし本日はハイキングありなのであまり買い込めません。
 ハイキングは電車で1駅下ったローテンボーデンから開始です。2.2㎞の下りなので楽勝。マッターホルンをほぼ正面に見ながらのハイキング。贅沢な話です。ガイドさんによると、ユングフラウ・モンブラン・マッターホルンの3つが晴れるのは非常に運が良いとのことです。全滅のツアーも珍しくはないそうです。途中、湖面に映る逆さマッターホルンを撮影したり、マーモットに出会ったりと1時間半のハイキングを楽しみます。

ゴルナーグラード展望台からのマッターホルン
逆さマッターホルン

 ローデンボーデンから1駅分歩いて、リッフェルベルク駅に到着。駅前に椅子が並べられておりますが、これらは駅併設のカフェを利用した人限定だそうです。じゃあ、椅子に座ってワインでも飲んでみようかなと値段を見ましたが、結構なお値段だったので退散。

リッフェルベルク駅のカフェ どインフレでした

 下山して昼食。さんざんマッターホルンを見たのに、昼からは、よりマッターホルンに近いところにあるグレイシャーパラダイス展望台に行きます。当然ながらお買い物の時間はほぼありません。ここで2名がもういいと。ツェルマットの街に残りますとのこと。残り6人はローカルバスに乗ってロープウェイ乗り場に移動します。

グレイシャーパラダイス ゴンドラ

 グレイシャーパラダイス展望台へはロープウエイを3基乗り継ぐのですが、山頂付近は明らかに雲の中。そんなことは知らんとばかりにゴンドラはそのまま真っすぐ雲の中に突っ込んで、終点へ。

ゴンドラは雲の中に突っ込みます

 雲の中のグレイシャーパラダイス展望台(3883m)に到着です。クライン・マッターホルンという山の山頂。例によって山頂をくり抜いてロープウエイ乗り場にしています。外貨獲得のため観光に注力しているとはいえ、ちとやりすぎ感があります。この展望台はレストランや土産物屋さんが充実しており、とてもほぼ4000mとは思えない作りです。山頂の回廊はかなり広くて、イタリアからもロープウェイが乗り入れております。間違えて逆のロープウエイで降りてしまうとイタリアに入ってしまいます。

イタリア側のロープウエイ乗り場

 屋上目指しての回廊を歩いていると、息が切れて頭痛がして歩けないとの申し出が。ここで2名が残ります。本日2回目の3000m越え、しかも今度は3800mなので仕方のないことです。無理せず残り4人で展望台巡りとなりました。5分ほど歩いて屋上行きのエレベータに乗ります。でも降りてきた外人の顔が冴えません。英語なのに「ガスで何も見えなかったわ」というコメントだけがなぜか聞こえました。テンション下がります。エレベーターホールを出るとなんと階段。ここからの階段はつらい。しかも凍結している。一段一段踏みしめるようにしてゆっくりと階段を上ります。建物2階分くらい上ったでしょうか、ようやく屋上につきました。
 階段を上っているときは気にならなかったのですが、あたり一面の霧です。というか雲の中です。そういえば、マッターホルンは昼から雲に隠れるので登山の人は昼までに登頂を済ませるのですとガイドさんが言っていたのを思い出しました。晴れ続きの運もこれまでかと思っていたら、あれよあれよという間に雲が流れてマッターホルンが目の前に現しました。雲に隠れたり半分見えたり。それでも十分です。午前中のゴルナーグラート展望台はマッターホルンを下から眺める感じでしたが、こちらはほぼ目の高さ。迫力が違います。

マッターホルン4478m 鉄骨が無粋

 目の高さにあるマッターホルンを目に焼き付けていると、右手のブライトホルンもきれいに見えてきました。今の内とばかりに写真を撮りまくります。

ブライトホルン4160m

 例によって時間がないうえに雲がかかってきたので撤収です。下りの階段は楽勝です。エレベータホールにつくと、添乗員のK藤さんはタバコを吸っているじゃあないですか。こんな酸素の少ないところでタバコとは、恐れ入りました。

気の遠くなる階段

 ほくほくしながらエレベータを降りてロープウエイ乗り場に戻ります。そこには、やっと下山出来るといった顔つきの3人がいました。どうやら土産物店で時間を潰していたようです。何より無事で良かった。帰りもロープウェイを3基乗り継いでいるので、結構な時間がかかります。麓についたらもう夕方。

クラインマッターホルンの山頂は大工事

 宿について一息ついたらもう夕食です。夕食は、ツェルマットビールと硬いステーキでした。

ツェルマットビール 美味なり
硬いステーキ

 明日は氷河特急に乗ってからドイツへ。
 あれ? スイスでチーズフォンデュ食べてない……。



いいなと思ったら応援しよう!