入試問題にチャレンジ!

2018年南山大学
天皇が生前に後継者に譲位することは古代からあり,それはしばしば権力の対立を招いた。たとえば,平城天皇は上皇となったのち,遷都をめぐって弟の A と対立したため,政治的混乱が生じた。
 その後,藤原氏が天皇家との姻戚関係を通じて大きな権力を握ったが,藤原氏を外戚としない天皇が現れることもあった。11世紀の後三条天皇もそうした天皇の一人で, B らの補佐を得て,親政による強力な政策を打ち出したa。
 後三条天皇は,譲位して上皇となった。その息子の白河天皇も親政をおこなったのち譲位し,白河上皇となり院政を始めたb。
 上皇たちは,その豊かな経済的基盤cを背景に権力をふるった。その一方で,大寺院なども勢力を強めていったので,上皇を頂点とする朝廷権力はそれに対抗するため,武士を登用した。こうした中で,武士が政界に進出していったのであるd。

〔設 問〕 
(1) 空欄 A に入る語として,正しいものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ 宇多天皇 ㋑ 桓武天皇 ㋒ 嵯峨天皇 ㋓ 清和天皇

ウが正解。

(2) 空欄 B に入る語として,正しいものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ 大江匡房 ㋑ 橘逸勢 ㋒ 源高明 ㋓ 良岑安世

アが正解。

(3) 後三条天皇の政策について述べた文として,誤っているものを,下記の㋐~㋓から選びなさい。
㋐ 記録荘園券契所を設置して,荘園内での争いを審議・裁定した。
㋑ 後三条天皇が作った公定枡は,宣旨枡と呼ばれた。
㋒ 内裏の造営費用を,一国単位で,荘園・公領を問わず一律に賦課した。
㋓ 摂関家に不満をもつ受領層が,後三条天皇の親政を支持した。

アかな。記録荘園券契所は荘園の証拠書類を審議した。

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