カードワースシナリオ「教会の妖姫」（groupAsk様）感想

このシナリオは、お使いで訪れたラーデックの街で依頼を受けることになります。アルフレートという少年から、彼の恋人の少女が行方不明になったのを探してほしいと依頼されるのですが、その人探しが思わぬ事件に発展するというシナリオです。Askシナリオにしては比較的時間のかかるシナリオになっていて、クリアの際は2点の経験値が得られます（普通のシナリオは経験値1点）。

はっきり言って私はこのシナリオがAskシナリオで一番好きで、名作だと思ってます。ユーザーの間で一番人気があるAskシナリオは「賢者の選択」というシナリオですが、私は「賢者の選択」のすごさも認めつつ、それでもこの「教会の妖姫」を推します。

その大きな理由は多様な世代の人間が書けているからです。アルフレートを始めとする若者の世代、アルフレートの父ウィルヘルムなど大人の世代、最後にラーデック司教であるエルンストといった老人の世代。

多様な世代の人間が書かれている結果、このシナリオは世代別に異なる読み方をすることができます。アルフレートの視点で見れば若者の恋と自立の物語、ウィルヘルムの視点で見れば息子アルフレートとの親子関係を描いた物語、エルンストの視点で見れば自らの罪をテーマにした物語、といったように。

もちろん、もっと単純に、悪党である異端審問官バルドゥアをぶっ飛ばす勧善懲悪のストーリーとしても楽しめます。終わり方は少し寂しいんですが、それでも希望があって、それがまた良いんですよね。ぜひ遊んでほしいシナリオです。