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フリーシナリオ好きにおすすめのフリゲRPG「カードワース」の魅力を語る

いつもカードワースのシナリオの感想を書いている当noteですが、今日は趣向を変えて、カードワース自体の魅力を語ってみたいと思います。

「そもそもカードワースって何?」というところから書くと、カードワースというのは、インターネット上でダウンロードできるパソコン向けのフリーゲームのひとつです。フリーゲーム(以下フリゲ)というのは無料で遊べる、主にアマチュア製のゲームのことです。

カードワースは名前からカードゲームと勘違いされるかもしれませんが、実際はRPG(ロールプレイングゲーム)です。と言っても市販のコンシューマRPGとはまた少し違って、テーブルトークRPGだったり、昔流行ったゲームブックに近いテイストと言われることが多いですね。

基本的には中世ファンタジー的な世界観で、プレイヤーは「冒険者」と呼ばれるキャラクターを数人作ってパーティーを組み、数々の依頼(妖魔退治や届け物、場合によっては下水道の掃除など)を受けることになります。この依頼がカードワースにおいては「シナリオ」と呼ばれていて、それを作っているのが多くのシナリオ作者なわけです。

前置き長くなりましたが、星の数ほどあるフリゲ作品の中で、カードワースの魅力、あるいは特徴とは何なのか。以下に3つ列挙したいと思います。

・プレイヤーの数だけ冒険者がいる(キャラメイクの自由度が高い)
・プレイヤーの数だけ物語がある(コンシューマでいうフリーシナリオに近い)
・25年ほどの長い歴史がある(蓄積されたシナリオ・素材の量が多い)

まず「プレイヤーの数だけ冒険者がいる(キャラメイクの自由度が高い)」という点について。カードワースのキャラメイクは「名前」、「性別」、「年代」(「子供」「若者」「大人」「老人」の4世代)、さらに顔グラフィックを自由に決められます。能力値は「素質」という基本的に6つの能力タイプと、「特性」というその冒険者の性格というか性質で決まります。一例を挙げると「都会育ち」とか「冷静沈着」とか「勤勉」とか「上品」とか、その冒険者の個性を選んでいけるわけです。

この冒険者の作成は、カードワース用に考えたキャラを使うも良し、ご自身の一次創作用のキャラを使うも良しで、非常に自由度が高いです。私は基本的にはカードワース用にキャラを考えてますが、近年のカードワースは一次創作用のキャラ(いわゆる「うちの子」)を使っておられる方も多いです。

「キャラメイクが自由でも、自分は絵が描けない」という方もおられるかと思うんですが、カードワースにはたくさんの美麗な素材があり、私も絵が描けませんが冒険者の顔画像に困ったことはありません。もちろん素材作者様の著作権や利用規約を尊重する必要はあるのですが、基本的には無料で使えてスクショなども自由に貼れる素材が殆どで助かります。

次に「プレイヤーの数だけ物語がある(コンシューマでいうフリーシナリオに近い)」という点について。フリーシナリオのRPGと言えば、奇しくも今年(2024年)、ロマサガ2とドラクエ3が両方ともリメイクされましたよね。この2作品は非常に面白く、私も好きなゲームなのですが、カードワースのシナリオもこの2作のようなフリーシナリオに近い形式になってます。

それもそのはずで、カードワースには決まったストーリーがなく、どのシナリオをダウンロードしてどういう順番で遊ぶかはプレイヤーの自由なのです。ひとつの目安として、公式であるgroupAsk様が配布しておられるシナリオから遊ぶというやり方はありますが、それすらも絶対的ではありません。

さらにカードワースはVectorなどでは「マルチシナリオRPG」とも呼ばれており、ひとつのシナリオの中でエンディングが分岐する(マルチエンドである)作品が多いという特徴があります。これも「プレイヤーの数だけ物語がある」と私が思っている所以(ゆえん)です。

最後に、「25年ほどの長い歴史がある(蓄積されたシナリオ・素材の量が多い)」という点について。カードワースの後にもカードワースと似たコンセプトのゲームはいくつかあったと思うのですが、そのいずれもカードワースを超える人気を獲得できなかったのは、この歴史の差、蓄積の差にあると個人的には思ってます。

カードワースが最初に公開されたのは1998年ですからね。そこから25年以上にもわたってシナリオや素材が作られ続けています。今も活発に作られてるんですよ? 残念なことにネットから消失してしまったシナリオや素材も少なくないのですが、それでも十分な量の(カードワース初心者なら長く楽しめるであろう)蓄積があります。正確な実数はわからないのですが、シナリオだけでも今まで作られた作品が数千はあると言われてます。

この記事の上の方で、カードワースの世界観は基本的には中世ファンタジーだと書きましたが、実際のところ、世界観も自由でOKです。なにせ公式シナリオからしてロケットランチャーが登場したりする世界観なので。現代パロのシナリオももちろんありますし、ジャンルもミステリーがあったりSF的なシナリオもあったりで、わりと「なんでもあり」です。

長くなったのでまとめに入ります。要は、キャラメイク好き・フリーシナリオ好きならやっとけーって感じのRPG、それがカードワースです。難点は導入がやや複雑(複数あるカードワース本体の中から自分に合うものを選ぶ必要があり、顔グラフィック素材やシナリオも自力でサイト等を探してダウンロードする必要がある)なのですが、カードワースは古参ユーザーが親切なので、Xなど人の多いSNSで「カードワース初心者です」と前置きして質問すれば誰かが答えてくれることが殆どです。最後に公式ファンサイトへのリンクを張っておきますので、カードワースに関する基本的な知識はこのサイトを見て頂ければと思います。

長い長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



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