憂国の現代アート
気がつけば7年もの歳月をアートギャラリーの運営に費やしてきました。
右も左も分からない状態で始めたこの職業をたくさんの心ある人々に支えていただきながら続けられてきた中で、日本におけるアートの現状と歴史と今後への問題点もたくさん見えてきています。
今の世界はとてもスピーディーに変化しています。
そして今後もそれは加速していくのだと思います。
日本という国は非常に複雑でこんがらがった経緯から現代に至っております。日本におけるアートの歴史も同様に複雑にこんがらがった歴史を経て、加速する世界に巻き込まれていっている現状です。
一般の人々から「アート」というものがとても複雑で難解で不透明なものに見えているという現状も重々理解していますし、アートを志す若者たちも自分たちが一体を何をやろうとしているのかが分からないのだろうという感覚も理解できています。
僕がアートを作り手ではなく裏方として学ぶ事を決意したのは10代の思春期の時、誰も救ってくれなかった面倒臭くトゲトゲした心をアートが救ってくれた事から始まりました。あの時アートに出会っていなければ、今頃僕は何者にもなれないろくでもない人生を歩んでいたのだろうと省みます。
僕にとってアートを職業にすることは、あの時出会えた恩人への恩返しでもあります。
紛いなりにも続けられてきた7年を経て、いま僕が現代の日本のアートに対して考えていることを言葉にして伝えることは、責任でもあり恩返しでもあるのです。
アートとはとても楽しくエキサイティングで人間が生きていく上でとても重要な学問でもあります。
多くの方々に、そしてアートに興味を持った若者たちに、その複雑さをはらんだ上での現代の日本のアートのおもしろさを伝えることができれば幸いです。
光のある未来を希望し憂いながら、僕が見てきたことや考えたことを綴っていきます。