イイノマサリ

大阪の現代アートギャラリー「gekilin.」オーナー。日々のつぶやきや現代アートの考察・解説などを綴ります。 http://gekilin.com

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マガジン

  • gekilin.の日々

    大阪の現代アートギャラリー「gekilin.」オーナー飯野マサリによる日々の綴り。

最近の記事

作品コンセプトは必要か?

若きアーティストの皆さまは 「この作品のコンセプトは何?」 「これは何のためにつくったの?」 等と聞かれた経験は多くあると思います。 または「コンセプトもない作品は作品ではない」 とか「作品はコンセプトが重要だ」 などと理由も分からずに頭ごなしに言われた経験もあるのではないのでしょうか。 「何か難しくて社会的な事を言ったほうがいいのだろうか・・・」 「自分の心の内側にあるものを自由に描いてるだけなのに・・・」 などとモヤモヤし、コンセプトを話すことが苦手なアー

    • 企画?レンタル?アートギャラリーの違い

      アートギャラリーには大きく分けて「企画(コマーシャル)」と「レンタル」と呼ばれる2種類の業務形態があります。 知っているようで実はよく分かっていないというお声を耳にしますので、ご参考までに解説いたします。 ○企画ギャラリー ギャラリーのオーナーやディレクターが「このアーティストは見込みがある」と見出すことにより展示会を開催します(企画展)。 この際にアーティストに金銭的な負担を与えないのが一般的です。つまり無料で展示会を開いてくれます。大手のギャラリーでは制作費やアトリエま

      • アートとイラストレーションの違い

        以前「アーティスト」とは「科学者」や「研究者」と同じであり、「アート作品」と科学の「基礎研究」は同じなのだ、という持論を説きましたが、 「アーティストとは何者か」 この引用を利用して今回はアートとイラストレーションという混同されがちな似て非なるものは、一体何が違うのかを解説します。 科学の研究には「基礎研究」と「応用研究」の2つに分けることができるそうです。 「基礎研究」とは「何のためになるか分からないけど、この世界でまだよく分かっていないことを研究してみること」です

        • アーティストとは何者か

          私のギャラリー「gekilin.」では主に20代~30代の若手アーティストを取り扱っております。 よく聞かれる質問で「アートなんかやってて食っていけるの?」というものです。 単刀直入に言うと若手はアーティストとしてだけではほとんどが食べていけていません。別の職業に就いていたりアルバイトをしていたり、美術系の学校で講師や教授や助手として働いたりしている者も多くいます。 つまり働きながら仕事が終わった後や休みの日に作品を造り続けているのです。 「なんでそこまでして食ってい

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        • gekilin.の日々
          6本

        記事

          喋ってはいけない美術館

          「美術館では静かにしなければいけない」 と思い込んではいないでしょうか? 実は美術館で静かにしなければいけないというルールはありません。 欧米の美術館では作品の前で一緒に来た友人と大きな声で感想を言い合ったり感動して思わず叫んだり、子どもがわーわー騒いでいたり、時には美大生が作品の前で床に座り込みスケッチすらしています。 とても活気があり子どもから老人まで実に多くの人々が思い思いに美術を楽しんでいます。 これが本来の美術館の姿です。 美術館とは全ての人々が美術作品を自由に

          喋ってはいけない美術館

          憂国の現代アート

          気がつけば7年もの歳月をアートギャラリーの運営に費やしてきました。 右も左も分からない状態で始めたこの職業をたくさんの心ある人々に支えていただきながら続けられてきた中で、日本におけるアートの現状と歴史と今後への問題点もたくさん見えてきています。 今の世界はとてもスピーディーに変化しています。 そして今後もそれは加速していくのだと思います。 日本という国は非常に複雑でこんがらがった経緯から現代に至っております。日本におけるアートの歴史も同様に複雑にこんがらがった歴史を経

          憂国の現代アート