暴風雨から逃れる
昨日あたりからちょっとだけ、思考のない状態が戻ってきている。
何も考えず、ぼうーっとしながら、行動もできる状態。
これをカウンセラーは、人としての「基底状態」と言っていた。
この状態になれると、何をしていてもキモチイイ。
何も考えていないので当然だけれど、自分の中に軋轢が存在できない。
ただ、起きてくることに、ありのままに対処して。
自分の欲求に、ありのままに従って。
そうしていると、まったくストレスなく、限りなくラクでいられる。
この状態を、それこそ自分の基底状態にしてしまおうと、いろいろ画策してきたのだけれど。
残念ながらそれが、なかなかできない。
ふと我に返ると不要な思考をつかみ、不要な混乱のただ中にいることに気付くことが多い。
そして、いちど基底状態から外れてしまうと、あれよあれよという間に混乱は拡大してゆく。
日常に低気圧が停滞し、そこここに台風が生まれる。
横殴りの雨が降り、暴風が吹き荒れる。
こうなってしまうと、無風の基底状態にはなかなか戻れない。
というかそもそも、少なくとも私は、意識だけで戻ることはできない。
意識だけでは、混乱から遠ざかれない。
では、どうすればいいのか?
そのヒントをようやく、見付けた気がする。
何かに没頭し、夢中になっていると、暴風雨は私に影響を及ぼせなくなる。
頑丈な家の中で防音性能の高い二重窓をしっかりと閉め、大好きな音楽を流しつつ、したいことをしているようなものだ。
さらにカーテンまで閉めてしまえば、外がどんなに荒れていようと関係ない。
エアコンのきいた室内で、好きなことをしていられる。
そうやって食事も睡眠も忘れ、好きなことに熱中していると。
いつの間にか、すき間から陽光がもれ入ってきている。
カーテンを開ければ、窓外には雲ひとつない青空が広がっている。
昨日から私に起きているのはきっと、そういうことだ。