製作ノート(28)さっさんの観劇レポート
KYOTO EXPERIMENTが終わりました。最後のプログラムは、韓国からのサイレン・チョン・ウニョンさんの公演でした。
私たちもせっかくなので、観に行きました。今日は、田中による観劇レポートです。
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KYOTO EXPERIMENT『変則のファンタジー_韓国版』を観劇してきました。
変則のファンタジーの開演は16時。私は余裕ぶっこいて15時前に会場に到着し、スタッフの方に聞きました。
田中「すみません!ケソン工業団地ってどこでやってますか!」
スタッフさん「ケソン工業団地は芸術センターですね!ポストパフォーマンストークに参加せずに終了後すぐ会場を飛び出してもらったら間に合うと思います!」
やってもうた......。
作品を観劇する前にケソン工業団地を見に行くはずだったのですが、なぜかケソン工業団地は京都造形芸術大学で開催されていると壮大に勘違いをしてしまい、結局ケソン工業団地を見に行けなかったのでございます....。
あれかな...どっちも韓国やからどっちもおんなじ場所でやるやろ! みたいなそういう思い込みしてしまっていたんやろうか....。
情けない.....。
なんでや....なんでなんや.....。
と悲しみモードで観劇しましたが、その憂いも観劇後にはすっかりなくなってましたね!!!
良席で観るために、私、ハイエナのような目で開場を待っておりました。そして開場した瞬間にセンター5列目ぐらいをめがけて全力競歩で向かいました。
でも、よく見るとですね、下手側に舞台美術が置かれた花道が見えたんですね。
元K-POPアイドルオタクの宝塚ファンの私はピンときましたよ。
「絶対ここに.....出演者が来る.....」
と。
そこで急遽座席を変更し、同じ列の一番下手側端の列に座りました。
ふふ。この座席変更、大正解でした。
公演中、花道に出演者の皆様が見事来てくれました。
野生の勘ッッッッッ!
まぁそれは置いておいて。
観劇した私の感想はずばり!「딱내스타일(ぴったり私のスタイル)」。
※ステッカーには、
上「ナム・ウンジン G-voice チョン・ウニョン コ・ジュヨン」
下「変則ファンタジー ファイティン!」
と書かれています。(ファイティン は韓国語でとてもよく使われる応援メッセージです。ファイト!と似てます。)
というか、私元々LGBTに関心がありましたし(卒論でテーマにしました)、宝塚歌劇団も好きですし(雪組推し。朝海ひかるさんと壮一帆さんLOVE)、韓国の伝統音楽も留学先で勉強しましたし(といってもかじった程度)、
なんか、なんだか、サイレン・チョン・ウニョンさんとは気が合いそうな気がします!!!
嘘です!!調子乗ってごめんなさい!!!
というぐらいには私の脳内にあるものと色々被っていて驚きでした。
私にはかなり親近感を覚える作品でした。
社会的に「目を向けられない存在」とされている人々が、歌って、踊って、語って、あんなに舞台上で観客の視線を集めて、それがなんと美しいことか。
胸がじわっと熱くなりました。
社会って一体なんなんじゃろなぁと考えさせられた次第です。
韓国は性的マイノリティに依然厳しい社会で、
韓国は移り変わりが非常に早い世界で、
舞台上で素敵なパフォーマンスを見せてくださった人々も、普段は人前に立つこともままならない、立てたとしても、大多数に注目してもらえない、そんな空間でずっと生きてきている。
でも韓国に限らず、多くの国でそうだと思うのです。
はぁ....素敵だったなぁ。
出演者の皆さんが心の中にため込んできた感情が舞台上で解放された、
その瞬間を目撃したような気持ちになりました。
ナム・ウンジンさんは一人で静かな舞台に立ち、여성국극(ヨソングックッ)をこれでもかと披露してくださって、G-Voiceの皆さんは、キレイな歌声を観客に聞かせつつ、最後のパフォーマンスでは一人一人が着たい服を着て舞台上を駆け回っていらして、それぞれがそれぞれの視線を独り占めしてました。
その最後のパフォーマンスのなかで、クラブっぽいBGMが流れていた場面があったかと思うのですが、音楽に混ざって「올씨구(おるしぐ)」というナム・ウンジンさんの掛け声が聞こえてきてましたね!
あれは韓国の伝統芸能、パンソリ(昌劇)で使われる掛け声で(추임새[チュイムセ]といいます。)、歌舞伎の掛け声と似たような役割を果たします。
パンソリは知っていたので、「お?今の掛け声は...?」と気になってはいましたが、ポストパフォーマンスにてヨソングックッは昌劇の一種であることをサイレン・チョン・ウニョンさんが教えてくださったので、あ、なるほど!と納得いきました。
公演終了時には観客からの熱い声援と拍手があがり、
「この空間が作り出すあったかさが社会にも広がっていくべきやし、必要なんやろうなぁ」
と思ったりしました。
大学時代に存在を知った「チングサイ」の皆様にお目にかかれるとは思わなかったし、ヨソングックッを京都であんなにじっくり見られるとは思わなかったし、
本当に観に来てよかった....!
ホクホクした気持ちでおうちに帰りました。
観た側としてできることは、観たことを周りに伝えていくことなんやろうな!
ということで、大学時代共に勉学に励んだ友人から、少しずつ話を共有しようと思います。
以上、さっさんの観劇レポートでした!
2019年11月1日
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