製作ノート(51) 魂で通じ合う
劇団衛星プロデューサーの植村です。
韓国のみんなと過ごす日程の、約3分の1が過ぎました。第一クールが終わり、ここから本番初日までが、第二クールだな・・という風に感じています。
昨日の夜は、公演関連企画の1つでもある、「戯曲を味わう〜大石Dの勉強会」がありました。韓国演劇について味わいました。大石くんが勉強して来た韓国演劇史について紹介し、現代の演劇や日韓交流公演の事例について話したり、最後はみんなで日本語と韓国語で書かれた戯曲を読んでみたりしました。(ソン・ギウンさんの『가모메 カルメギ』の戯曲を読みました。私自身とても好きな作品なので、使用のご承諾をいただけてみんなで読めて、とても嬉しかったです。)
参加者の方々と、韓国キャストのみんなも一緒に、勉強半分・国際交流半分という感じの、貴重な時間になりました。みなさん、ありがとうございました。
近代の韓国演劇では、総督府の検閲によりそれまでの韓国の文化を失ったことだったり、プロパガンダに使われた「親日劇」についても話されました。
韓国の演劇史について勉強して知ったこれらのことに、「日本では学校で近代の歴史をほとんど学ばないので、知らないことが多い。この時代のことにも触れ、日本のみんなに知ってほしいと思った」と大石くんは話しました。
"アーティストが社会に果たす意味"に関して、大石くんの所感が聞けたのが、とてもよかったです。
私たちは、ヒリヒリするような話を改めてするのは難しくても、"演劇"を通じて考えることならできるだろうし、それは素敵なことだな・・と本当に思います。
欲を言えば、もっと日本の演劇に携わってる人たちにも、この時間を共有してほしいなと感じています。・・私たちの劇団に参加してくれてるみんなに、そしてそれを観に来てくださるお客さんに共有できたらそれでいいのだろうけれど。もどかしい気持ちです。
終わった後、みんなと一緒に日本酒を飲みに行きました。
日本のメンバーも韓国のみんなも、この出会いを喜んで過ごしてくれてることが、嬉しいです。
日本と韓国は似てる、言葉は違うけどそれだけ、というようなことを、初めて日本に来た俳優が言ってくれました。言葉がわからないメンバー同士も、魂で通じ合う実感を持っているようです。とてもいい時間が作れていると思うし、そのことはいい創作に繋がるのだと感じます。
引き続き今日からも、楽しい時間を過ごしていきたいと思います。
今夜は、「大人の演劇部」。そして明日は「韓国語勉強会」もあります。
2020年2月1日
劇団衛星プロデューサー 植村純子
劇団衛星『珠光の庵〜遣の巻〜』韓国語版
2020年2月8日〜11日 会場:KAIKA
●公演情報 http://ow.ly/MROZ30q3Scc
●チケット発売中 https://dbf.jp/fueki/kaika/200208/
●応援福袋も販売 http://www.jukou.info/fukubukuro.html
※チケット残席状況(2月1日12時現在)
9日(土)14時 あと2席。11日(火/祝)14時 あと4席です。
各回30席限定ですので、ご希望のステージはお早めにお申し込みいただければ・・と思います。お待ちしております。