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製作ノート(35) 改めて、インターナショナルver.について①

劇団衛星プロデューサーの植村です。
改めて、『珠光の庵』インターナショナルver.の話をしようと思います。

『珠光の庵』という作品は、2004年に京都で初演をした時から、「47都道府県制覇!」と「海外でも上演!」を目標に掲げていました。
裏千家お家元に、お題字を書いていただいた際に、蓮行は、47都道府県と海外でも上演する、ということをお約束したそうです。お家元はもう覚えていらっしゃらないでしょうけど・・(笑)。

劇団衛星ではもともと、地元やたくさん人の集まる首都圏などの大都市で上演して、各地からもお客さんに来てもらおうと言うより、遠くから来てもらうのが困難なら、こちらから出向こう!という発想で、劇場以外の場所での公演や、各地での公演に臨んで来ました。関西圏内だけでも、京都・大阪・兵庫それぞれの劇場で3都市公演をしたり、ということを積極的にやっていました。
なので、『珠光の庵』のツアーも、その一環として、比較的自然に始めたように思います。

一方でまた、47都道府県公演が終わったら、その時見える光景はどんなものだろうか・・ということも思っています。私自身、そこに何か確信があるというより、まだ見ぬ感覚を試してみたいというところかもしれません。そんな挑戦のために、気づけば、すでに15年の歳月を費やしていました。

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2014年、兵庫県豊岡市に「城崎国際アートセンター」ができる、という話を聞きました。そのプレオープンの時期に、ご縁あって、そこに滞在して創作させていただく機会を得ました。せっかく「国際アートセンター」で滞在制作ができるのなら、ずっとやりたいと考えていた『珠光の庵』インターナショナルver.の試作をやってみる、またとない機会だろうと考え、それに挑むことにしました。

演劇という、言葉を使うジャンルの作品を、言語の違う人にも楽しんでもらう。そのために、字幕を出すとか、イヤホンで吹き替え音声を聞きながら観てもらうとか、あるいは英語で上演するとか、いろいろな形で上演が行われているけれど、これまで観たことのある、そのいずれとも違う新しい演出で上演できないか・・というのが、この作品での挑戦です。
通常の日本語キャストに、同時通訳を担う英語キャストを3人加えて、日本語の響きも、英語でその内容も、味わっていただく。そんな作品にしたいと創りました。

城崎での滞在製作中に第一回の試演を行い、終演後のワークインプログレスミーティングで、ご覧いただいた方々からご意見を頂戴しました。新演出を評価するコメントもいただき、この方法に手応えを感じたことを覚えています。

その後、さらに稽古を経て、2016年に京都・KAIKAで初演をしました。
英語版はまだ海外で実際の上演を行うことはできていません。いずれは、英語圏の国での上演を行いたいと思っています。

*『珠光の庵〜遣の巻〜』英語版・ダイジェスト映像

今後、英語を話す皆様の前では英語版を上演したいと考えていますが、それを世界各国の方にご覧いただくよりも、それぞれの土地の言葉での上演をしたいと考えました。

そしてこの度、韓国語版の創作・上演に取り組むことになりました。

まず韓国へ行きたい・・と私が考えたのは、単純に、近い国なので費用の面からも実現可能性が高いだろうと思ったからです(笑)。
たまたまながら、私自身、韓国語の勉強を始め、旅行や会議で韓国へ行く機会も得ました。そして、そうこうしているうちに、韓国語が得意な田中沙穂が劇団員になりました。このご縁に抗う理由は、もはやありませんでした。

<続きます>


2019年12月8日
劇団衛星プロデューサー 植村純子

劇団衛星『珠光の庵〜遣の巻〜』韓国語版
●チケット発売中です。
https://dbf.jp/fueki/kaika/200208/
●応援福袋も販売してます。お力貸してください。
http://www.jukou.info/fukubukuro.html


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