劇団ねこのバロン第3回公演「大人の友情実験室」公演記録(Vol.2)
ご覧いただきありがとうございます。
Vol.1に続き、公演記録Vol.2です。
備忘録のようなものなので、ちょっと退屈かもしれません。
Vol.1では公演日時・場所、稽古、スタッフについて記載しました。
スタッフ
Vol.1ではスタッフの中でも外部にお願いした舞台監督、照明、音響、フライヤーデザイン、受付について書きました。今回は、ねこのバロンキャストで分担したフタッフ業務について書きます。
衣装
衣装担当は、鯵坂(以下会美ちゃん)、えりさん、ゆっこちゃんです。キャスト自身が衣装担当と相談しながら自分で選ぶこともあります。最終的には、演出が承認して決定します。
衣装を作ることは難しいので、私物の借用、あるいはネットやお店で探します。
衣装を選ぶ場合に注意しているのは色です。役者間で被らないことと、壁の色に同化しないことのためです。
いつも思うのですが、女性陣はこの衣装選定段階でとても盛り上がります。脚本が渡された段階から、あーでもない、こーでもないが始まります。面白いですよ。
今回決まった衣装は以下の通りです。これに決まるまでは紆余曲折はありました。
熱盛博士:使い古したイメージと壁の白と被らないように紅茶染をした白衣、エンジ色のシャツと柄ネクタイ、黒めのズボン(研究者っぽいようで、中はちょっと派手)
西園寺響子:紺色のスーツとU字型の白いブラウス、銀縁メガネ(レンズ無)、パンプス(ちょっと理知的できちんとしたイメージを表現しました)
緑風はるか:緑を基調としたチェックのシャツ、ワークパンツ、のっぽさんのような帽子、運動靴、カーキ色のリュック(環境活動家を勝手にイメージしました)
星野葵:真紅を基調としたドレス、紫のレースの帽子、黒いレースのショール、パンプス。女優のイメージではあるが、どことなくレトロな感じを残しました。
小笠原ゆり:コスプレ用衣装で、大和守安定(やまとのかみやすさだ)です。色は水色と袴が紺色です。ビーサンのようなサンダルを履いています。刀をさしていますが、木製の模造刀です。
中村裕之:チャコールグレーの作業服と、茶色のズボン、革靴、斜めがけバッグ。定年間近の平社員だが、作業服を着ているので町工場の庶務担当のイメージです。短めの斜めがけバッグが冴えない平社員を象徴させました。
岡本節子:オレンジを基調とした柄物の着物に黒い帯、草履。作家のイメージから着物が一択でした。着付けは舞台用に簡単にできるように改造されています。
フライヤーのデザインで使用している実験器具に入っている液体の色は衣装の色をイメージしました。
小道具
小道具担当は、折笠、蒲ヶ原(以下由紀ちゃん)です。小道具は衣装と同じように、私物借用や購入で揃えることが多いですが、作ることもあります。
この「作る」ことに情熱を傾けられるかが小道具担当ができるかどうかの境目となります、多分。
今回は小道具種類が少ないのですが、本のカバー、名札、バインダーの書類、ゲームのお題、謝礼金封筒などを作りました。お題や封筒などは文字を入れる程度で手間もかからないのですが、本のカバーは特に気合が入っています。由紀ちゃんが作りました。本に被せた状態での写真を撮影しなかったので、カバーデザイン画を載せます。これを印刷屋さんに印刷してもらいました。
細かい文字などはお客様からは見えませんが、見えない部分への拘りこそが小道具担当の醍醐味です。
また、購入品でこだわったのは、ラストの酒を酌み交わすシーンで使う湯呑み茶碗です。最近は見なくなりましたが、水玉模様の茶碗。これに拘り、メルカリで探しました。
パンフレット
当日パンフレット、または当パンとも呼ばれますが、お客様に公演当日お配りするパンフレットのことです。
挨拶や、キャストのコメント、時にはキャストの今後の予定などが書かれていて、他の劇団の公演フライヤーが折り込まれていることもあります。開演までに読んでいただいたり、帰ってから振り返ってみたり、映画のパンフレットと同じです。
これも本のカバーと同じように、由紀ちゃんが作成しました。イラストはスマホで指一本で描いたものです。
キャストコメントのQuestionは、「友情を築くために最も重要な要素はなんですか?」このQuestionは、AIに考えたもらったんですが、何とも普通でした。
制作
スタッフ最後は制作です。
制作の守備範囲は非常に広く、会場手配と窓口、稽古場手配、稽古計画(演出と)、会計、受付準備、スタッフの食事の世話、予約管理、打上げ会場手配など、始めから終わりまでほぼ全てです。
会美ちゃんが担当なのですが、ひとりではできないので、会美ちゃん、髙橋さん、長沢さん(以下さんちゃん)、ゆっこちゃんで分担しています。受付も制作の範囲ですが、別の扱いとしました。
今までにあげたスタッフはどれを欠いても成り立たないのですが、特に制作は要と言っても過言ではありません。
制作の仕事を端的に表す写真がなかなか無いのですが、今後の稽古予定を全員に周知するために稽古場に書いたものと、大イベントの打上げのショットを制作の仕事のほんの一部として載せます。
舞台装置
舞台装置といっても、丸椅子5脚、パイプ椅子1脚、折り畳み椅子1台だけです。舞台装置というよりも、小道具(置き道具)と読んだ方がふさわしいかもしれません。場所を決めて置くだけなので。この装置は脚本にト書きとして書かれています。3方白壁のSTスポットを活かしたデザインで、勝手に「引き算の舞台装置」と呼んでいます。他に袖幕の自動開閉装置がありますが、それはVol.1に書きましたので省略します。
客席
客席作りを舞台装置と呼ぶのかわかりませんが、ここに入れました。本来は舞台監督の仕事なんですが、照明の調整などに携わっていたので、キャストや手の空いたスタッフで作りました。
STスポットの客席作りの方法はほぼ決まっていて、その通りに作るだけです。
その中でねこのバロンオリジナルは、一番前の席に座椅子を置いてあることと、パイプ椅子席の座布団を増やしていることです。
この座椅子席はなかなか特等席で、開場後すぐに埋まります。キャストの表情や息遣いも感じることができますが、今回は椅子に座るシーンが多く、一部のキャストは観にくかったとの指摘もありました。
また、後ろの箱足を組んだベンチ椅子は高くて座りにくいという指摘も受け、最終日は足置きを追加しました。
今回のまとめ
スタッフ業務や舞台装置内容を中心に書きました。ひとつの公演をするには、脚本やキャストの演技のオモテ部分が重要なポイントであることは言うまでもありません。お客様はそれを観に来られるのですし。
しかし、Vol.1も含めたウラ部分を支えるスタッフ業務が無いと、公演自体が成り立ちません。
ねこのバロンはその当たり前のことが重要と考えて、あえて多くのスペースを割いてスタッフ業務について書きました。実際は書ききれていないんですけど。
次回(最終回)は、公演全体をお客様の感想も混ぜながら振り返ります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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