【宣伝美術】 『吐息のおもかげ』フライヤーができるまで
劇団いちいち『吐息のおもかげ』のフライヤーが公開されました。今回のnoteは、アクリル絵の具にIllustrator、Photoshopなどなど…を使用した今公演のフライヤーメイキング❣️
会議
今回は脚本が全て出来上がる前に、脚本・演出の豊田と宣伝美術の高橋が会議をし、どのようなフライヤーにするかを相談しました。その後脚本も上がったので、無論、制作時には脚本も熟読しています。
その時のメモがコチラ⬆️
なにを記載するのかに加えて、デザインについての要求もここで受けます。紫のラインは今回の物語のテーマ的な文章なので、舞台を見るまでのお楽しみで……!
『吐息のおもかげ』というタイトルの通り、吐息や風、おもかげのような形ないものを映し取りたいというのが根底になりそうです。
試作1
初めに提出したラフです。完成版を見てから見るとなんとなくの原型はありますが、この時は風というより水を意識していて、流れはありません。
ここで、
・色味もう少し明るめ
・動きあるのも見てみたい
・交じり合いという概念を表現できる?グラデーションではなく、あくまで異なる色が隣接して、混ざっている部分もある、みたいな
という意見を貰います。
ここで、宣伝美術の高橋は交じり合いを境界線のあやふやなものとして捉えていましたが、演出は異なるものの隣接・調和・一体化として捉えていたことが判明します。
大きなすれ違いですね、ここで舵を切ります。
お絵描き(?)
ここで高橋は、演出がイメージに近いと提示してくれたフルイドアートを参照します。フルイドアートとは、アクリル絵の具に水やオイルなどを混ぜて、キャンバスに大量に流し込んだ時の流動性を活かして描くアートのこと。
たしかに、演出からの条件である「交じり合い」が表現できます。
しかし、調べてみるとフルイドアートはとてもさまざまな材料を必要とするとても手間暇かかったアートであるとわかります。当たり前ですが、画家ではない高橋が挑戦するにはハードルが高い。
ということで、フルイドアートが持つ流動性や交じり合いだけを再現することにしました。
これは100円ショップで買ってきたアクリル絵の具を厚塗りで画用紙に流し込んだものです。悪戦苦闘の軌跡ではありますが、今見ると汚いですね……
そして、修正の末にこれが完成します。このアクリル絵の具ドバドバアートを基として、完成版のフライヤーにたどり着きます。
試作2
先ほどのアクリル絵の具ドバドバアートをIllustratorに取り込んで作成したラフがこちら。
かなり現在の形に近づいています。
色味をもっと明るく鮮やかに、という指摘を受け、作成したドバドバアートの写真をPhotoshopを用いて編集します。
このように3種の色味に編集し、フライヤーの表面はほとんど完成に漕ぎ着けました。
題字は、風や揺らぎをイメージしつつ、儚げな凛としたデザイン(のつもり)です。
試作3
フライヤー裏面について、宣伝美術から提示したのはこの3種。裏面については「表と同じ感じ」という指示のみだったので、演出の意向を聞きます。ここで1番右の全面がドバドバアートのものが選ばれたので、最終調節に入ります。
完成
識字性や情報について、会場の東山青少年活動センターの職員さんとも相談しつつ詰めていきます。
そんなこんなで完成したわけですが、コチラは紙面、つまり手元に紙で印刷されることを前提としたフライヤーです。当たり前だと思うでしょうが、これが宣伝美術からしたらかなり大きな違いです。
たとえばこれはデジタル、画面上で見ることを前提としたアイキャッチ画像。文字のサイズや色味に差があるのがわかっていただけると思います。
つまり何が言いたいかというと、ぜひ、フライヤーはお手にとってご覧いただきたい。いずれ、実物の写真も掲載してもらえたらな…なんて思っていますが、是非是非、街で見かけた際はお手に取ってご覧ください。
また、今公演はフライヤーの他にもたくさんの制作物が、お客様の手元に渡ります。そちらもぜひお楽しみに!
公演/劇団情報
劇団いちいち
Twitter:https://twitter.com/gekidan_11
Mail:theater111999@gmail.com
※お問い合わせやご依頼は各SNSのDMまたはメールまでお願い致します。
劇団いちいち 春ごもり公演
『吐息のおもかげ』脚本・演出:豊田莉子
【日時】2022年
3月5日(土)14:00 / 18:00
6日(日)12:00
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は80分を予定しております。
【場所】東山青少年活動センター 創造活動室
【料金】※当日券は各+300円です。
学生前売:1000円(要証明)
一般前売:1500円
【予約】カルテットオンライン