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J+始動


記事執筆:吉田昌平

失われた30年=年齢の僕が思うこと

なんだそれ?

日本に生まれ、育ってきた僕は常にこの思いをどこかに抱えていました。
こうじゃなきゃダメとか、世間がどうとか、幸せってこうだよとか。

名前も顔も知らない"誰か"によって決められた固定概念がずっと苦手で時に抗い、時に受け流しながら生きてきました。

想像するにそうやって生きている人って多いんじゃないでしょうか?
僕は1993年生まれの今年31歳で、ゆとり世代と呼ばれる年代です。
生まれてからずっといわゆる失われた30年という日本が緩やかに下向きになっていく時間を過ごしてきて、どこかずっと閉塞感を感じています。

"まあしょうがない"

止まらない少子化の一方上がり続ける自殺率も、円安もあらゆる社会課題や自分たちの幸せでさえも、この一言で片づけて問題を先送りにしてきた結果、ほんとうに幸せって思えてる人ってどんだけいるんだろうと思ってしまうような社会になっているのかなと考えています。

そんな風に思うなら日本に居続けなくてもいいんじゃない?
と思う方も当然いらっしゃると思います。
でも生まれ育ったこの日本やその文化がやっぱり大好きで、日常では「なんだそれ」って思うことがあっても、やっぱり日本をあきらめたくなくて。

悪あがきかもしれないし、もしかしたら独りよがりなのかもしれないですがそんな日本において何か自分が、そして仲間たちができることを考えたときの一つの解が自分たちのスタンスを示し、共感してくれる仲間たちを増やしていくということです。
そして自分個人のスタンスや携わってくれている仲間たちのスタンスをひとつの形として表明したのが今回のJ+というブランドになります。



J+


J+はただのアパレルブランドではありません。
RELAXやMEDITATIONをテーマに制作した作務衣を中心とした今回のコレクションでは、単純にモノを売って消費していただくだけではなく、購入後のリラックスする時間や一度スマホやSNSなどの情報からログアウトして、自分の身体や心とちゃんと向き合う時間の体験までをコトとして提案させていただきたいという想いからなるブランドです。


J+MEDITATION=SEN-KOH


なんでリラックスなのか


あらゆる物事がものすごいスピードで動いていくこの情報社会において、立ち止まって一息つくことってめちゃ難しくないですか?
当たり前のように息を吸って吐いて、心臓が常に動いていて、血液が全身をめぐっていることって、めちゃくちゃすごくて素晴らしいことなのに、そんなことに目を向けられないほど日々は慌ただしく、目まぐるしいと思います。

今回J+では当たり前すぎて注目を浴びることは少ないけど、本当は当たり前に素晴らしい"生きている"っていうことや"存在している"っていうことにスポットライトをあてるためのリラックス、またそれらをアシストするためのグッズとしての作務衣(J+RELAX = SOME WAY)や手ぬぐい、線香や抹茶を制作しました。


J+RELAX=SOME WAY


伝統へのリスペクトと現代的な感覚の足し算


リラックスウェアとしての作務衣をせっかく僕らがつくるならただ単純に世の中にあるようなものを作ってもおもしろみがないし、自分たちで作るなら普段自分たちが身に着けているものと同じテンション感でガシガシ着れるものがいいよねということで、作務衣の成り立ちや背景を調べ、市販のものもどういったシルエットなのか、生地を使用しているのかを研究したうえで、従来の作務衣の形をオーバーサイズに、普段トレーナーやパーカーで過ごしている僕らであれば生地はスウェット生地、しかも和歌山で生産しているアズマ裏毛という軽くて、肌触りもいいかつヴィンテージの風合いもある最高の生地を使用しました。
裾や袖には遊び心のあるネオンカラーのドローコードを配置しシルエットを自分好みカスタムできるように、腰回りにはベルトループを配置して鍵や小物をひっかけて手ぶらで出かけられるように、シルエットからディティールにいたる細部までこだわりぬいて製作しました。


J+RELAX=SOME WAYの裾にあしらわれたネオンカラーのドローコード


J+が目指していきたい世界


失われた30年を生きてきたと冒頭でお伝えしましたが、じゃあ何を失ったの?って考えたときに個人的には"自信"なんじゃないかと思っています。
高度経済成長期からバブル期を経て他の国に追いつけ追い越せで経済成長を続けてきた日本がバブル崩壊によって成長が下降気味ないし止まってしまったときに、ああもうダメかもと自分自身を信じることをやめ、自信をなくしてしまい、ないものねだりになってしまったのかな?なんて考えていたりします。
でも本来日本がもつ素晴らしさって経済成長や定量的な豊かさだけではなかったはずです。
文化や精神性に優劣はないですが、古来より受け継がれてきた日本の伝統文化や精神性は知れば知るほど素晴らしいと僕は考えています。
もうすでに素晴らしいものをもっているのに、目に留まるのは足りないところや、ないものばかり。

これって僕ら個人にも当てはまるのではないでしょうか。
既にある幸せよりもニキビの数が気になってしまうように足りないものばかり気になってしまうことって誰しもあると思います。

J+ではそんな日本が古来より持ち合わせていた文化や技術、精神性などの日本の良いところに現代的なエッセンスを加えていくことで再びそんな良い部分にフォーカスをあてていくことを通じて、今を生きる僕らが自分自身にないものや、足りないものばかりを数えるのではなく、自分が既に持っているものの数え方、向き合い方について考えていただくきっかけを作れたら最高だなと思っています。

隣の芝生は青く見えるという言葉がありますが、個人的には隣の芝生が青く見えたとしても自分の芝生はピンクでもシルバーでもよくね?と思っているので、自分が自分らしくあってよいし、それって最高じゃんって多くの方々が思えるようになれば、それぞれの思い描く幸せっていうものに飛び立つ準備ができるんじゃないかと思いますし、日本という国がもっとエネルギーであふれるのではって本気で思っています。

J+ではそんな風に考えていただけるきっかけづくりをモノや体験を通じて創出していき、こうした文化や思想が誰かの生きる理由になるように、だれもが自分らしくあっていいって思えるような世界を目指していきます。

少しでもこんな想いやスタンスに共感していただける方がいれば、10/4より公開となったMakuakeのページよりぜひ一度僕らがつくったアイテムを見てみてください。
写真や動画、文章からアイテムまで僕や仲間たちの想いが詰まっています。


最後にこれまで一緒に推進してきてくれたJ+チームのみんな、生産やクリエイティブで関わってくださった皆様、そしてまだ見ぬ僕らのスタンスに共感してくれる仲間たちに最大のリスペクトと感謝を。

プロジェクト全体を圧倒的熱量でリードしてくれたそえじ、GEKIの代表であり、今回このようなきっかけをくれた10年以上の仲である力の記事もとても素敵なのでぜひご覧になってください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
まずは日本を共にそして最高におもしろくしていきましょう。

2024年10月5日
吉田昌平

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