ロマンチックなドイツのお城たち②
前回に引き続き、ドイツのお城、第二弾です。
今回は
ホーエンシュバンガウ城!
をご紹介したいと思います。
ホーエンシュバンガウ城は、ルートヴィヒ2世の父王、マクシミリアン2世のお城です。ノイシュバンシュタイン城のすぐ近くにあるので、一緒に見学することができます。内部がとても興味深いお城なので、ぜひ見学をお勧めしたいです。
ホーエンシュバンガウ城の旧名は「シュバンシュタイン城」と言います。マクシミリアン2世が廃城を購入して、再建し、名前をホーエンシュバンガウ城に変えました。
先にご紹介したノイシュバンシュタイン城は新しいシュバンシュタインという意味になり、父王のお城と息子のお城が、新旧目と鼻の先に揃っているというわけです。
ホーエンシュバンガウ城は、国王ファミリーが夏の離宮として利用していました。主に狩猟用に利用していたとのことでしたが、マリー王妃は、この城をとても気に入り、ハイキングや釣りなどをして過ごし、アルプスのあちこちから集めた高山植物で庭園をつくりました。彼女はルートヴィヒ2世の死後、この城で亡くなりました。
ドメニコ・クアーリオという人が城の内外のデザインを手がけ、地名のシュバンガウには「白鳥の里」という意味があり、内部はオペラ「ローエングリン」の元となった中世騎士伝説にちなんだ壁画で装飾されています。ルートヴィヒ2世と弟のオットーも幼少期をこちらの城で過ごしており、そのことが後のルートヴィヒ2世の中世騎士伝説への心酔につながったのではないかと考える研究者が多いそうです。大概の場合、幼少期の好みは良き思い出となるところ、そうはならなかったのはやはり何かしら別の問題があったのかもしれません。
ホーエンシュバンガウ城はノイシュバンシュタイン城と違って、王様の家族がくつろいで過ごしていたことが想像できるような生活感と明るい雰囲気があります。この城には壁の中に召使い用の通路があるそうで、王様家族の団欒を邪魔する事なく、各部屋のストーブに壁の中から薪をくべる事ができるそうです。
マクシミリアン2世は父王のルートヴィヒ1世とは違って勉強熱心なインテリ、人気のある王様だったのですが、この城の幾つかある仕掛けを見ていると、彼もとてもこだわりが強いなと感じるので、なるほどやはりルートヴィヒ2世の父王であるなと思わずにはいられません。
ルートヴィヒ2世のお部屋には、望遠鏡が設えてあり、このお城からノイシュバンシュタイン城の完成を待ち侘びていたことが伝わります。マリー王妃とは不仲だったというルートヴィヒ2世は王妃の不在の時にこの城を利用していたとのことですが、彼もまたこの城を愛していたのでしょう。