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8/30 - 9/1 カヤマル2024@美山に参加してきました
8/30から9/1の2泊3日で、カヤマル2024@美山に参加してきました。
京都府の美山町へお邪魔し、茅葺きの体験会と新築の茅葺き住宅を見学させていただきました。台風の影響もあり、天気が不安定でしたが、無事に作業を行うことができました。
茅葺き体験では、茅葺き職人が建てた築15年目になる新築の茅葺き住宅の葺替えを手伝わせてもらい、今回が新築以来初の葺替えだったそうです。葺替えと言っても完全に屋根を新しくする訳ではなく、「差し茅」と呼ばれる補修作業で、職人の方々に指導していただきました。この差し茅は、傷んだ部分を取り除き、新しい茅を差していく、少ない茅で屋根の寿命を伸ばすための補修作業なのですが、これを行うと不思議と新しく差した茅も残してある古い茅も均一に朽ちていくそうです。その話を聞いた時は茅葺き屋根自体が一つの生きもののように感じました。
作業としては、古い茅を引っ張り出す作業と新しい茅を差し込んでいく作業の他にも足場を設置するために使う紐を通す針を屋根裏へ回って針受けをしたり、稲藁を使った縄ないなどをさせてもらい、滅多に体験できない貴重な機会をいただきました。自分が葺く立場になることで見えてくる良い茅の条件のようなものも掴めたと思います。
見学会では、葺替え作業を行なっている茅葺き住宅や美山茅葺株式会社の茅倉庫、美山 かやぶきの里などを見学・解説していただきました。
夜の夕食会・懇親会では、職人の方々、他の参加者の方と濃密な時間を過ごし、以前の茅葺きや今の茅葺きの話、職人の方の思いなど、興味深い話が多く、まだまだ知らない事の方が多いと改めて知りました。稲作と茅葺きは切っても切り離せない、という話が特に印象に残っています。茅を刈り、牛や馬に食べさせ、田にすき込む、余れば屋根に使い、古い屋根は土に還る、「茅葺き」とは単なる屋根としてではなく、この循環していく暮らしそのもの事なんだと実感しました。
まだまだ聞きたい事も山ほどありましたが、名残惜しくもあっという間に過ぎていった3日間でした。貴重な機会を提供してくださった職人の方々に感謝しています。
これからも茅葺きの未来が少しでも明るくなるよう茅プロの方も進めていければと思います。
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