触覚芸術としての陶器
さる有名な陶芸史の先生が、陶器類の美的判断は目だけではなく触ることも大事だと力説していましたが、確かにその通りだと思います。茶道を嗜んでいる方ならピンとくるかもしれませんが、器は絵画と違って距離をとって眺めることを念頭に作られていません。手にとって触られること、そしてそこでの視覚を念頭に作られています。ですから美質の半分は手のためにあるのです。
陶芸関係は骨董含めなぜコレクターが多いかと言えば答えは簡単で、手で触れられるからです。絵は飾ってあれば自らが所有しなくてもと考える人は非常に多いですが、陶器類はそうはいきません。美術館で名品を観るより、自分の手で触れる中の上クラスの作品の方が思い入れが湧いたり、綺麗に思えてくるという体験を私もしており、どれほど触れるということが陶器類の鑑賞で重要かを感じさせられます。つまり目だけでは半分足りないのです。
香港サザビーズで中国陶磁の大オークションがあるということで覗いてきました。宋代の白磁もありましたが、マスターピース級なのは清代の華麗な彩色器です。
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