10年という年月の重さ
「ピケティのr>gというのは、資本主義の格差拡大の論理で、それは社会を分断するのではという問題提起だった。でも10年でその公式は、働くより株など投資した方が資本は蓄積されるので、金融商品を買ってくださいだのFIREしましょうなどの誘い文句になってしまった」
金融業界の方と喋った時に印象に残った言葉です。たった10年でほぼ真逆のニュアンスで利用されているピケティという権威を思うと、学者が伝えたいことはどれくらい世に浸透させられるのだろうかと不安になります。ベストセラーの宿命と言えばそれまでなのですが。
ここから先は
1,427字
/
1画像
この記事のみ
¥
300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?