「現代」を改名しよう
「サイコパスに憧れる人が多いのはサイコパスという響きが中途半端にかっこいいからだ。これがオタンコナスだったら誰もそうだと自称しないだろう」
いつの日か見かけた文章で、なるほどと思ったものです。美術でも多少その感覚は当てはまるように思い、たとえばフェルメールが英語発音で「ヴァーミャー」だったら、これほど日本で人気が出なかっただろうな、ということは直感します。衣服ブランドのラルフローレンが世界的に成功している理由のひとつに、そのLの滑らかな発音があるという分析もあるそうです。
日本語だと漢語にすると固く端正な響きに感じる人も多いでしょう。中でも「現代」という言葉を日本人は好き過ぎるなと日頃から思います。ゲンダイ、の響きに濁点の重なりから発せられる威厳を感じるのだと推測します。英語ではコンテンポラリー(正確に訳せば同時代の)が現代にあたりますが、日本ほど使われないです。美術館でも週刊誌でも何でも「現代」をつけたがるのはもはや日本の特徴だと思います。
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