![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/24888993/rectangle_large_type_2_f2dcec1375eb11a2d8084e5400cc0e9b.jpg?width=1200)
【ゴム跳び】
少年時代の遊びには色々なものがあったが〈ビー玉〉もそのひとつだった。
まだ舗装もされていない道端の何箇所かに窪みを作って、ビー玉を順次入れていく遊びだ。
誰よりも早く〈天の穴〉に辿り着くことを競うのだが、途中、他のヤツのビー玉を弾いては進行の妨害をするのだ。
男の子のビー玉遊びの横では女の子達が〈ゴム跳び〉をして遊んでいることが多かった。
輪ゴムを繋いで作った長いゴムを、ひとりが端を持ち、もうひとりも端を持って、走り高跳びのポールのように横に張る。
その高さを徐々に上げながら跳んでいくのだが、ゴムに触れても構わないというルールで、身体がゴムの向こう側にいっていればOKなのだった。
ところが、女の子達の殆んどがスカートを穿いていたので、そのまま跳ぶとパンツが丸見えになってしまう。
そこで女の子達は、パンツの裾のゴムで締まった部分にスカートの裾を器用に突っ込んで、即席の提灯ブルマを作るのだった。
ゴムの高さがドンドン上がっていくと、女の子は大きく足を上げて跳ぶのだが、その即席提灯ブルマのお陰でパンツはガッチリとガードされていて、殆んど見ることが出来ないのだった。
見て見ぬふりをしながら残念がっていたのは、絶対に僕だけではなかったと確信する。
(〈ビー玉〉は、敵の玉をカ~ン!と弾いていたことから、当時、僕達は〈カン玉〉と呼んでいた)