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【観音像】

仙台城跡の展望台から街並みを見廻していると、遥か左手のズ~ッと奥の方の穏やかな丘の上に、何か白い塔のようなものが見えた。

遠方の霞んだ空気の中、目を凝らしてよ~く見てみると、それは観音像のように見えるのである。ここから見てあれだけに見えるということは、相当に大きな観音像に違いない。

〈仙台にあんなデカイ観音像があったかぁ?〉

家内にも確認してもらった。

「おい S子ぉ、あそこ見てみ、あそこ」

「えぇ~?どこぉ~?」

「あそこあそこ、ズ~ッと奥の方に白い観音さんみたいなのが見えるだろ」

「えぇ~?・・・あっ!あれぇ?」

「白い像があるだろ!」

「あるある」

「牛久観音は仙台じゃなかったよなぁ」

「なにそれ?」

「牛久観音って物凄くデカイ観音様の像があるんだよ・・チョッと調べてみるわ」

スマホに「うしくかんのん」と打ち込んだ。

「・・・・ん~~あっ!出た出た。えぇ~と・・・牛久大仏は、茨城県牛久市にあるブロンズ(青銅)製大仏立像で、全高120メートルあり、立像の高さは世界で6番目。ブロンズ立像としては世界最大・・だって!・・そしたらあれはなに大仏だ?仙台大仏って聞いたことあるかぁ?」

「どっちも知らないわよ」

「調べてみるか・・」

スマホで音声検索した。

「センダイノダイブツゾウ・・・・おっ!出た出た・・・仙台大観音だってさ!・・」

「仙台大観音って言うんだぁ」

「えぇ~と・・・地上100m、体内は12層に分かれ、最上階はご心体を祀った心殿があります。展望窓からは市内が一望でき・・だってさ」

「凄いねぇ~」

「知らなかったなぁ・・いつになるか分からんけど、今度来た時には絶対に行ってみたいな」

「父さん、松島も忘れないでよ」

「そうそう、松島を忘れちゃいけないな」

青葉山の展望台からの発見で、次回の仙台行での目的地が、もうひとつ増えてしまったのである。


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