見出し画像

【カブる】

〈YouTube〉に、「ピーピング・ライフ」という、〈バカップルな男女〉や〈会社員〉や〈OL〉などの日常を、アニメーションで面白可笑しく表現したチャンネルがある。数年前に結構バズったチャンネルだ。

そのシリーズの中に、先輩OLと後輩OLが合コンに参加して大失態を演ずるという話があるのだが・・・

この2人、こともあろうに合コン用に着てきたワンピースが全く同じもので、服装が完全にカブったのだった。そして、慌ててトイレに駆け込んだ2人が互いに相手を罵り合うという、そんな内容であった。

・・・・・・・

さて、話が変わるが、街中を車で流していた時のことである。

運転していた車は家内の愛車、〈SUZUKI:セルボ〉だ。この車は10年以上前の古い車で、当時、軽自動車のスペシャリティカーという位置付けで販売された車なのだが、残念ながらそんなには売れなかった車であった。

だから中古車市場でもタマ数の少ない車なので、当然、街中でも滅多に見掛けることがない非常にレアな車なのである。

そして家内のこの〈セルボ〉の色が茶色ときている。茶色が特に売れなかったのかどうかは知らないが、タマ~に見掛ける〈セルボ〉でも、茶色のを見たことがないのである。だから〈セルボ〉の中でも超希少車ということになるのだ。

そんな茶色い〈セルボ〉を走らせていた時に、とある交差点から同じ色の〈セルボ〉が出てきて、こともあろうに僕の前を走りだしたのである。リアには上級グレードを表す「G リミテッド」のエンブレムが輝いている❗️家内のこの〈セルボ〉と全く同じ車なのだ。

〈えぇ~~っ❗️〉

超希少車の〈茶色いセルボ〉と僕の運転する〈茶色いセルボ〉が暫くのあいだ並んで走ったのだが、なんだか恥ずかしいような妙な気持ちになってしまったのだ。

〈前のヤツ、どっかに行ってくれないかなぁ・・丸で「ピーピング・ライフ」の洋服カブり事件と同じじゃないか・・〉

前を走る〈茶色いセルボ〉を見ながら、自分も当事者であることは棚に上げて、そんなことを思った僕なのであった。


いいなと思ったら応援しよう!