【名刺と女の子】
出張先の施設にいる4人の女子寮生の内のひとりが、とあることから出版社の取材を受けた。
そして取材インタビューが無事終ったので、僕は労いの声を掛けてやった。
「取材お疲れさ~ん❗️無事に終ってよかったなぁ」
「はい、緊張しましたぁ~・・で、名刺貰ったんですよぉ・・アタシ名刺貰ったの初めてなんですぅ」
「えぇ~っ❓️S美ちゃん、人生で初めて〈名刺〉を貰ったの❓️」
僕はチョッと驚いた。
「はい、初めてなんですぅ。これどうしたらいいんですか❓️アタシ名刺入れなんか持ってないですよぉ」
「財布にでも入れとけよぉ」
親指と人差し指で摘まんだ人生発の〈名刺〉をヒラヒラさせながら喜んでいる。
年齢をバラしてしまって恐縮なのだが、22年間〈名刺〉に縁のないところで過ごしてきたということになる。とは言え、余りにも健気で素直な素振りに、なんとも言えない愛らしさを感じた僕なのであった。
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