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【一方通行の変】

車を走らせていた。時間は朝の8時20分を少し回った頃だった。

程なくある三叉路に差し掛かったのだが、その交差点は、右折方向が、出勤時間帯の8時30分まで進入禁止の一方通行になっていた。

しかし、その朝はチョッと急いでいたし、車も少ないし、時刻もほぼ8時半なので、僕は近道の方を選んで右側に進んだのである。

ところが、一方通行を逆走して抜けた道路の左路肩に、原付の警察官が停車していて、コッチの方を見ているのだ。

僕は警官をやり過ごした後、次の交差点で停車して、信号が青になるのを待っていた。

すると、直ぐに原付の警官が車の左側までやってきてドアガラスをノックするのだ。

「コンコン❗️」

〈わっ❗️一方通行進入違反でやられたか❓️〉

僕は観念して「ウィ~~ン」と窓を開けた。

もうすぐ免許更新なのに、有効期限の5年が3年になってしまうんじゃないだろうな・・トホホ。

「はい、なんでしょうか❓️」

すると警官が口を開いた・・・

「さっきの交差点は8時30分まで進入禁止ですよ」

僕は一応とぼけてやった。

「あぁ~そうなんですか、すいません」

〈あ~ぁ、万事休すか・・〉

すると警官がこう言ったのである。

「今日のところは口頭注意ということにしておきますが、今度やったらキップ切りますよ」

「あっありがとうございます❗️」

虫の居どころが良かったのか、間一髪のところで、僕は優しい警官に救けられたのだ。


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