知り合いの娘さんに赤ちゃんが生まれたので〈御祝〉をすることにした。
早速、紅白の水引の付いた〈熨斗袋〉を引っ張り出してきて、筆ペンで御祝という文字と自分の名前を書いた。間違っても白黒の袋を使ってはならない。
後は〈お金〉を入れるだけだ。
「お~いっ❗️S 子ぉ~■■ちゃんの〈御祝〉の表書き書いといたからな。1万円入れといてくれよぉ」
「は~い❗️後で入れとくぅ~」
「後でって、忘れたら大変だぞ。今、入れとけよ❗️空だったら超失礼だぞ」
「はいはい、でも入れ忘れる人っているのぉ❓️」
「そりゃ、中にはいるだろ」
「もらった人、空でしたよ、なんて絶対に言えないよね」
「相当に面の皮が厚い奴でも言えんだろうなぁ」
「はい❗️じゃ、父さん見ててよ。1万円入れるよ」
「あぁ」
それでも手渡す前にはもう1度確認する僕なのであるが、もう1つ注意しなければならないのが「祝」という字なのだ。よく似てるからといって、絶対に「呪」と書き間違えてはならない。
そして、誰かに呪いの文を認める時にも、間違って「祝ってやる❗️」なんて書いてはいけないのである。