「父さんもタマには着るもの買えばぁ?」
家内がそう言うので買い物に出掛けた。
2人が行った所は、品質と安さで人気のある大手アパレルショップだった。
その日は僕の物を買いに来たのに、店に入るや家内は女物のコーナーの方へスッ飛んで行く。
《なんだよぉ・・今日は僕のを買いに来たんだろ?》
ダラダラと買い物をするのが好きではない僕は、家内を探し出して男性コーナーに連れて来て一緒にデニムスラックスを物色してもらった。
「お父さん!これなんかど~ぉ?」
「ダメダメそんな股上の深いのは・・」
「あらっ!なんでもいいって言う割には拘るじゃん!」
「いや、そりゃセンスなさ過ぎだろっ!」
なんだかんだと言いながら3本をピックアップして試着室に入った。
・・・・・・・
外から家内が訊ねる。
「お父さん、ど~ぉ?」
「おっ、これなかなかいいんじゃないか?ウエストも丁度いいし」
そう言いながら試着したものを脱いでいるとシャーッ❗️っとカーテンが開く。
「どれどれっ?見せて~っ❗️」
僕はパンツ丸見え状態だ。
「わっ❗️急に開けるなよっ❗️」
「げっ!ゴメンなさい!まだ試着のを穿いてるのかと思ったじゃないのぉ~アタシにも見せてよ」
続いて2本目を穿いてみた。それはウエストがチョッとキツかったのですぐに〈没〉判定をして脱いだ。
外の家内に伝える。
「おい、こりゃ腹がキツイわ」
「どれどれっ!」
シャッ!っとカーテンが開く。またパンツが丸見えだ。
「わっ!ゴメンなさい!」
「も~ぉ開ける時は言えよぉ、キツ目だからすぐに脱いだわ」
コントのような家内の天然は続いた。