【振り子の柱時計】 11 プチフルート 2022年8月13日 06:12 家内と息子と僕と3人で、とある親戚に行った時のことである。その家の廊下の柱には〈古い柱時計〉が掛けてあった。しかし時間が明後日あさっての方を示している。振り子が止まっているのだ。〈こりゃゼンマイを巻いてやらんとダメだな〉そう思ったので、ゼンマイを巻き直してやろうと「よいしょ❗️」と背伸びをして、柱から時計を外して下におろした。すると、それを見ていた親戚の叔父さんが言うのだった。「おぅ、そりゃゼンマイを巻かんでもええど」「えっ❓️そうなんですか❓️」「おぉ、動かしたら夜中にボンボンうるさいけぇのぉ」音で時間を知らせてくれる〈柱時計〉が、今や邪魔者扱いされているのだった。「ボンボンってなんなん❓️」息子が不思議がってそんなことを訊いてきた。「ボンボンを知らんのか❗️」「なにそれ❓️」「時間が来たらボ~ンボ~ンって音が鳴るんじゃ」「鳩時計❓️」「鳩時計はピポピポだろう。ボ~ンボ~ンって鳴るんじゃ・・時間の数だけ鳴るんだぞ。12時だったら12回も鳴るんじゃ・・で、半の時はボ~ンって1回鳴るんじゃ」「半❓️」「8時半とか、10時半とか」「あぁその半ね。30分のことだ」なんと、平成生まれの息子は〈ゼンマイ式柱時計〉を知らなかったのだった。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #エッセイ #毎日note #イラスト #短編小説 #ラーメン #面白い話 #柱時計 #振り子時計 #ゼンマイ式 11