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【ゴワァ~チャポン❗️」

夕方4時くらいだった。家電いえでんに電話が掛かってきた。

うちの家電にはディスプレイ機能があるので、モニターパネルに相手方の電話番号が表示される。

最近はよく迷惑電話が掛かってくるので、直ぐに番号を確認した。

「・・0820〇〇〇〇〇〇〇」

〈ん❓️・・どこからだろう❓️〉

市外局番があるから変な所からじゃないのかな❓️・・でも、大抵の番号は登録してるから名前が出るけど、これは番号しか出てないしなぁ・・

チョッと不審に思ったのだが、電話帳には家電の番号を載せているので、誰かからの大事な電話かもしれないし・・そう思ったので出ることにした。

「はい、●●です・・」

〈あっ・・父さん・・アタシです〉

電話は、山口県ひかり市の実家に、お母さんの顔を見に帰っている家内からだった。なんだか落ち込んだ声だ。なんか嫌な予感がする。

「おっS子か・・どしたん❓️なんかあったんか❗️」

「・・・セルボのキーをね・・」

「キーをどしたんじゃ❗️

「キーをトイレに落として、流してしもうたんよ・・・どうしよう・・どうしたらいいかと思って・・」

「ハァ❗️❓️キーをトイレに流したぁ❓️」

「・・うん・・ごめんなさい・・」

「バカかっ❗️❓️どうしたら流れるんじゃ❗️・・今どこから掛けとるんじゃ❗️」

「光駅の前のセブンイレブン・・お店の電話を借りて掛けてるんよ・・・どうしよぉ・・」

「・・ハァ~~・・」

「ごめんなさい」

「・・・スペアキーがあった筈じゃ、リモコンじゃないアナログのヤツ・・今から探してみるわ。一旦切るぞ❗️」

ついこないだバンパーの割れを修理したばかりなのに、今度はキーをトイレに落としただなんて、呆れてものも言えない。

必死になってスペアキーを探しているところへまた電話が掛かってきた。

今度は携帯電話のような番号である。

こんな時に迷惑電話か❓️

そう思ったのだが出てみることにした。そしたら家内からなのだ。

「・・もしもし」

「あ、アタシです・・・」

「さっきの番号と違うじゃないか」

「なんとか取れたのよ」

聞けば、車の窓が少しだけ開いていたので、手を伸ばしてドアロックを解除し、スマホを取ることが出来たのだという。

しかし、問題はスペアキーが見付からないということだ。

「スペアキーが無いぞ❗️」

「写真を飾ってるところの奥にある物入れの引き出しの中に入れといたんだけど」

「そぉか・・じゃ探してみるわ。一旦切るぞ❗️」

果たして、スペアキーは物入れの引き出しの中にあったのである。

スペアキーが見付かったので今からそっちに向かう旨を家内に連絡すると、僕は愛車デュアリスに乗り込み、広島の自宅から150km離れた光駅前を目指して車を発進させたのである。時刻は5時を回っていた。

・・・・・・・

山陽自動車道を2時間ぶっ飛ばして、やっと光駅前のセブンイレブンに到着すると、今や遅しと待っていた家内が、疲れ切った表情で駅舎の待合室から出てきた。

スペアキーが合うのかどうか、ドキドキしながらキーを捻る・・・

「キュキュキュキュッ・・ブルン❗️ブゥ~~~・・・」

〈掛かったぁ~~っ❗️〉

一時はどうなることかと肝を冷やしたのだが、無事エンジンが掛かったのだった。

直ぐに自宅に向けて出発した。

夜の山陽自動車道をデュアリスとセルボが連なりで走りに走って、自宅に着いたのが22時30分を少し回った頃だった。

・・・・・・・

こうして、なんとかセルボの回収が出来たのである。

・・・・・・・

次の日、車屋に行って、トイレに流した〈リモコン・スマートキー〉と同じ物を注文した訳なのだが、その価格が¥30.000-以上だという。

高いとは思っていたがここまで高いとは・・

余りの価格に家内のご機嫌が悪くなるのではと心配だったが、自分でやったことなので文句を言うことが出来なかった家内なのであった。


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