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30代からの語学6 レッスンに行こう!

先月書いた研究論文のコメントが予想よりも早く届いたので改稿作業に入る。もちろん通常の仕事は減らないので仕事量が純増する分、繁忙期に突入することになる。

繁忙期の語学は何度やっても難しい。論文を書くときは高い集中力を一定期間維持する必要があるので、語学との同時進行は無理だ。こういう時は思い切って語学の方を一旦中断してしまう。中断期間の過ごし方にも色々と工夫があるのだけど、それはまた別の記事で紹介しよう。

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さて今回は入門の一冊が終わった後のお話。

入門書が一冊終わったらレッスンに行ってみよう!

徐々に下がっていくモチベーションにうまく抗いながら最初の一冊を見事にやり切った。独学で入門書を一冊やり切るのは間違いなく偉業である。その日の夕ご飯はちょっと贅沢にしてお祝いしよう。

一冊終わると「さて、次はどうしよう」となる。もちろん「入門書よりもちょっと難しい初級レベルのテキスト」を新たに使っていくのもいいが、独学は長く続くとしんどくなる。「会話のテキストを一冊終えたのに誰とも話す機会がない」というのも正直寂しい。なので、私は一冊目の入門書を終えたら個別(マンツーマン)レッスンを探すことにしている。

レッスンの最大の魅力は、今まで学んできたことを実際に使えることである。「自分の発音が通じるかな?」「相手の言っていることが聞き取れるのかな?」と不安に感じることも少なくないけれど、学んだ外国語が相手に伝わる瞬間は単純にすごく嬉しい。「相手に伝えたいことがある」というのはすごい大きなモチベーションになる。これが独学と全然違うところ。

語学レッスンは、講師と生徒の比率によって個別レッスン集団レッスンに分かれる。個別レッスンは基本的に講師:生徒=1:1のマンツーマンであり、集団レッスンは講師:生徒 = 1:複数のレッスンである。レッスンを探す時はどちらのスタイルを選べばいいのかでまず迷うが、忙しい人ほど個別レッスンの方が向いている。

忙しい人にとって個別レッスンの最大の利点は勉強するペースやスケジュールを自分で決められることである。集団レッスンは通常は一週間に一回のペースで進み原則的に曜日も時間も決まっているのだが、仕事や家事育児に追われていると一週間に一回のペースはかなりきついし、突然の予定が入ったら休まないといけない。常に仕事を抱えている人にとっては「二週間に一回のペース」が最適だと思う。そうなると個別レッスンしか選択肢がない。

もちろん個別レッスンの方が料金は高い。学生の頃は自分の生活費をアルバイトで稼ぐのが精一杯で個別レッスンなんて金銭的に選択肢に入らなかった。でも、30代になり一定の収入を稼いでいるとそんなに無理な金額ではない。そういえば繁華街で語学教室の小さな看板を見かけたことがあるし、喫茶店のテラス席でネイティブスピーカーと会話練習している人を見かけたこともある(コロナ禍で状況はすっかり変わってしまい今ではオンラインが主流になりつつあるが)。個別レッスンもそんなに縁遠い存在ではない。ただ、個別レッスンなんてどうやって見つければいいか分からない...そこで、個別レッスンをうまく探すコツをまとめてみよう。

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①レッスンの探し方

今の時代、語学レッスンを探す時はインターネットに頼るのが一番便利だろう。例えば、「ベトナム語 レッスン 東京」とgoogleで調べるとたくさんの教室のHPが出てくる。一方、地方に住んでいるとコロナ禍以前では自分の県に教室が全く無いことも珍しくない。検索しても近所にレッスン先が見つからないとすごくがっかりしてしまうのだけど、今なら心配はいらない。コロナ禍に入ってからオンラインレッスンが急速に広がり、東京や大阪の語学教室のレッスンを地方でも受けられるようになった。この数年で地域間の語学格差が急速に縮小しているし、地方在住者にとっては好きな外国語を学ぶ間口がこれまでになく広がっている。

語学のレッスンでは①スケジュール管理などをしてくれる事務の方と講師の先生がいる教室形式②講師の先生と直接アポイントを取ってレッスンをする個人間形式の2種類が主流である。どちらが良いのかは完全にその人の好みであるが、私は教室形式の方を好んで使っている。事務管理を担当する人がいてくれるとスケジュールや金銭管理などでのトラブルを避けられやすいし、なによりも講師の先生と相性が合わない時に仲介してもらえるのが大きい。もちろん講師の先生と直接アポイントを取るタイプだと金銭的な負担が比較的少なかったり、教えてもらう内容や時間を融通を聞かせてもらえるなどの利点もきっとあるはずである。

②無料のお試しレッスンを活用しよう

今時の語学レッスンは、初回に無料のお試しレッスンがついているのが標準である。個別レッスンは講師の先生との相性が何よりも大切なので、お試しレッスンはぜひ利用しよう。

お試しレッスンに参加する際、事前にいくつか準備をしておくと講師の先生との相性が判断しやすい。まず、既にやり切った入門のテキストを復習して簡単な自己紹介ができるようにしておこう。自己紹介と言っても大それたものである必要はなく、「私の名前は〇〇です」「私は〇〇出身です」「私は〇〇(食べ物とかスペーツとか)が好きです」を言えるくらいでいい。最初のレッスンの冒頭で十中八九尋ねられるので事前に用意しておくと緊張しないで済む。

次に、レッスンを通して自分が勉強したいことを日本語でいいので整理しておこう。会話をたくさんやりたいのか、文法解説を聞きつつ練習問題中心で進めたいのか、リスニングに重点をおきたいのか、自分で文章や日記を作って添削しながらレッスンを進めたいのか、とにかく色々な学習スタイルがあるので自分の希望を事前に整理しておいて伝えられるようにしておこう。個別レッスンでは「先生に全部おまかせします」と投げてしまうと自分がやりたくない内容ばかりになりかねない。これでは不満が溜まり続けるし失敗する確率が高くなる。講師の先生も教え方に得意不得意があるので要望通りにはいかないかもしれないけど、こちらのニーズを伝えておくと後々工夫してくれる可能性がグッと高くなる。

③もしも突然、発音特訓になってしまったら...

以上のように色々と事前準備をしていったのに、レッスン冒頭にこちらが口を開いた途端に、その後の時間が発音練習ばかりになってしまうことがある。講師の先生が発音を繰り返すよう促すので真似をしてみるが、どうもうまくいっている気配がしない。あふれる不安。これはもしかしたら講師の先生と相性が悪いのかもしれない...

これは単純にあなたの発音がその外国語の発音になっておらず、最初に話した内容を講師の先生が聞き取れなかった時に起こる事象で、教える側としてはすごく「あるある」なイベントだ。以前の記事で「独学の場合、最初のうちは発音にそこまで神経質にならなくてもいい」と言ったので、発音がまだ不完全だったとしても無理はない。

この時、手を抜かずに発音練習に取り組んでくれる先生はハズレが少ない。教える側にとっても発音練習は根気がいるので苦手だったり軽く済ませてしまう先生が少なくないのだが、発音がうまくならないと伝えたいこともうまく伝わらない、言葉としての役目をうまく果たせないと真剣に考えてくれる先生は発音練習を簡単には諦めない。そういう講師の先生に出会った際は初回のお試しレッスンが発音練習に終わったとしても、あと数回はチャンスをあげてみてほしい。きっと一ヶ月後にはあなたの発音にすっかり「その言語らしさ」が身についているはずだ。

レッスンを始めるようになると日々の生活にリズムができるようになる。レッスンに向けて予習をしないといけないし、レッスンが終わった日の夜は勉強の一区切りになる。語学を通して生活にリズムができるのも、なかなか悪くない。