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30代からの語学10 語学をうまく「中断」する方法
今住んでいる西の港町に来たばかりの時にジムに入会したのだが、娘の面倒を見ているうちに通う機会が少なくなり、最終的にはコロナ禍が追い打ちになって退会してしまった。それでも「少しでも運動しないと...」と思ってSwitchの運動ゲームを買ってみたが、娘がいると飛びついてくるので危なっかしくてなかなかプレイできない。仕方がないので夕飯の後に一時間ほどウォーキングすることにしているが、運動量としては全然物足りない。
私にとっての運動習慣と同様に、語学も一時中断やペースダウンが避けられない時がある。30代は仕事や家事育児に追われる多忙な時期であり、中断が止むをえない事情も色々あるだろう。だからこそ「スムーズな再開」を視野に入れた中断期間の過ごし方を考えてみよう
外国語に受動的に触れ続ける ウェブラジオの活用
中断期間ができてしまうのは仕方がない。しかし、再開できなくなってしまうのはまずい。特に、自分とその外国語の心理的距離が離れ過ぎてしまうと再開は非常に困難になる。私も仕事が忙しくなると語学の中断期間に入るのだが、中断している時でもその外国語を意識することだけは忘れないようにしている。能動的な勉強を続けるのは無理でもその外国語に受動的に触れ続けることだけは決してやめない。
受動的に触れ続けるために使うのは、その外国語のウェブラジオだ。私のiPhoneにはベトナムのウェブラジオアプリが二つ入っていて、出勤や夕食後のウォーキングの時にBGM代わりに流している。
VOVはハノイのラジオ局なのでベトナム語の北部音、VOHはホーチミン市からベトナム語の南部音を届けてくれる。App Storeを探せば他の外国語でもウェブラジオアプリは豊富にあり、かなりマイナーな言語でも見つけることができる。
「ウェブラジオを受動的に聞く」というのは、内容を無理に聞き取ろうとせずBGMとして流しておく聴取スタイルだ。リスニング練習としてウェブラジオを活用するのは上級レベルでもかなり難しく、中断期間にわざわざ挑戦するのは無謀だ。そうではなく、例えば私の場合はハノイの街角を訪れた時の「ベトナム語が溢れている風景」をイメージしながら気軽に聞いている。異国の街角なら言葉が聞き取れなくても不自然でも理不尽でもない。
ウェブラジオを聞くコツだが、決まった時間に聞くと心理的な負担が少ない。私の場合は毎日20:00ごろにウォーキングをしながらVOVを聴くが、ちょうど18:00のニュースにうまく重なる(日本とベトナムの時差は2時間)。どの国であってもニュースは必ず決まった展開で進むので、なんとなく聞き流していても「今はトップニュースだな」「お、天気予報に変わった」というのが自然と分かる。確かに「何の番組をやっているのか分からない」とストレスを感じるので、慣れないうちは出勤時間など決まった時間にラジオアプリを開くといい。
その国の歴史や文化に関する新書を読む
もう一つ、中断期間にオススメなのは「その言語が話されている国の歴史や文化についての新書」を読むことである。私もベトナム語の中断期間にベトナムに関する色々な新書を読んだが、「ベトナム語をやらなければ、こんな本に興味を持つことはなかっただろうなぁ」というのが正直な気持ちである。
言葉を理解するようになると、その言葉が使われている国や地域のことについても自然と興味が出てくる。そう考えると、語学の効能というのは思った以上に広範囲に波及するし、コミュニケーション能力だけを追求するのでは少しもったいないと感じる。
中断期間でも語学は楽しい。再開できる日が来たら、また頑張っていこう。