ハノイの古本屋で専門書を探す!
9月中旬からハノイに数日滞在してベトナム語の言語学の本を収集しています。
今年の2月はホーチミン市で本を探すコツを記事にしましたので、ハノイでの本の探し方も紹介しておきましょう。ただ、個人的にはハノイの方がホーチミン市よりも良い本を集めるのが難しいと感じています。
ハノイで本を探すのにはベトナム国家図書館と古本屋をうまく攻略する必要があります。国家図書館については東京大学の附属機関のHPによくまとまっている記事がありますのでご参照ください。2024年現在でもほとんど変わりありません。
確かにベトナム国家図書館は使い方を理解できれば非常に便利なのですが、印刷(今はスキャンが多い)に手間や時間がかかることが多く滞在日数が短い場合は間に合わない可能性が高いです。となると、短期滞在の時ほど本屋で手っ取り早く仕入れたいのですがハノイだとこれがなかなかうまくいきません。
まず、今までの経験としてハノイの本屋は専門書の品揃えが全く安定しません。大きな本屋をネットで探してわざわざ行ってみてもビジネスなどの実務書と子ども向けの本ばかりなことが多く、最悪の場合だとおもちゃと文房具の片隅に本が少ししか並んでいない「ガッカリ本屋」も沢山あります。
ただ、今回の訪問ではĐường Láng(ラン通り)という所に古本屋が多く集まっていることを事前に把握していました。後述する理由でハノイの古本には苦手意識があったのですが、今回は頑張って古本屋の攻略をすることにしました。
Grabで車をチャーターしてホテルから直接向かいます。ラン通りで降りますが、まず外国人が歩くような地域ではないので結構目立ちます。 少し歩くと、あったあった!"Bán sách cũ"(古本売ります)の看板だ!
ハノイの古本屋はとにかく本の量が膨大です。それだけ聞くと本好きには喜ばしい知らせのように思えますよね?でも実際は内部のジャンル分けが綺麗にできているとは限らないので、「本の量が異常に多い」というのは「お目当ての本を見つけるのにすごく苦労する予兆」なんです。あぁ、これは大変なことになるぞ …
普段、ベトナムの古本屋に外国人が入ってくることはまずありません。なので、店に入った瞬間に店主に「何しに来た?」と必ず聞かれます。この瞬間がすごく大事でベトナム語を使って的確に興味のあるジャンルを伝える必要があります。私の決まり文句は以下の通り。「言語学」と言っても分からないことが多いので必ず具体例を出しましょう。
これがうまく伝わると、店主がどこら辺の棚に固まっているのかを思い出して連れて行ってくれます(言語学はマイナーなので「覚えている」ではなく「思い出す」が正しいです)。よし、これで本を見つける難易度が50%くらい下がったぞ!
今回はなんと2階に上がって一番奥の「書庫」とでも言えそうな所まで案内してもらいました。久々に起動したような扇風機が回り始めたのですが、その瞬間に物凄い量のカビと汚れが空気中に散乱していきます。あ、これ一番しんどいパタンや…
実はですね、私、カビアレルギーでさらに喘息持ちなんです…だから、この環境は体調的にすごくしんどい!
こうなったら、とにかく集中してさっさと探すしかありません。言語学の本をどんどんピックアップしていくのですが、内容だけではなく本の傷み具合もチェックが必要です。カビまみれだったり紙がベロベロに傷んだ本は内容がたとえ魅力的でも読むことないんですよね…
今回も傷みが少なめの言語学の専門書をピックアップして約5000円分(80万ドン)くらいご購入。買った本も多かれ少なかれカビはついていますのでホテルに帰ったら密封処理をします。南方での古本購入には大型のジップロックが必需品ですので絶対に忘れないようにしましょう!
ハノイもホーチミン市も古本屋を回りましたが、本の保存状態だけで見るとハノイの本は圧倒的に質が悪いです。おそらくハノイの湿度の高さが本の傷みを加速させているんだと思いますが、本の積み方もハノイの方が雑な気がするぞ…
正直に言って、ハノイの古本探しは難しい上に身体に堪えることも多いので万人にはお勧めできません。私もタイミングが悪いことに手に小さな怪我をしたまま古本を触ってしまったため見事に炎症を起こして腫れてしまいました…
それでも、もし挑戦してみたい方がおりましたら健康管理と本の目利きだけはちゃんと準備をした方がいいです。なんとなく面白そうな本を探すのには向いていませんのでくれぐれもご注意ください…