深圳を目指したワケ
深圳のキラキラした発展ぶりに触発されて「中国すごい!」「これからは中国の時代!」という風潮が生まれて早数年。空前の、と言っていいほどの深圳ブームもすっかり落ち着いた感があります。しかしながら、エンジニアのトレンドとして依然中国の技術は注視する対象です。
「ギーク中国語講座」はちょうど「深圳すごい」ブームの直前にスタートしているので、「乗るしかない、このビッグウェーブに」という部類と思われている方もいるかもしれませんが、私たちの活動はもともとブームとは関係のないもので、疫病が流行ったくらいでは何も変わりません。
今日はいい機会なので、(知りたい人もあまりいないかもしれませんが…)私がなぜ深圳を目指すことになったのか、その理由をちょっと書いてみたいと思います。
私自身が中国に注目したのは2015年頃から。まずはXiaomiの快進撃に驚き、実際に商品(イヤホン)を買ってみたところ、品質よし、デザインよしで「これが中国製!?」と衝撃を受けました。また、当時既にXiaomiのニセモノが出回っており、中国が中国製品をコピーする時代ということにも驚きを感じました。(その後発覚したXiaomiの日本をバカにした態度には心底ガッカリしましたが…)
時を同じくして、中国のテック系ブランドについて次々と話題が入ってくるようになりました。ドローンで世界を席巻したDJI、Wechatを国民のインフラにまで押し上げたTencent、圧倒的な技術力で安定した通信機器を安価で提供するHUAWEI…、そしてそれらの会社がすべて深圳の会社であることを知り、俄然深圳という街に興味が湧いたのでした。
もともと海外志向があり、中国語や韓国語を勉強したりはしていましたが、どちらもとても仕事で使えるレベルには至らず、勉強を再開しては挫折する、ということを繰り返していました。でも、深圳のことを知れば知るほどどうしようもなく深圳で仕事をしてみたくなり、2015年の秋頃から本気で中国語の勉強を始めました。
今でもその時のことを鮮明に覚えいています。若くもなく、人脈もなく、言葉もできない状況からどうやって深圳にたどり着くのか見当もつかず、「普通に考えて無理だよなぁ」と諦めかけました。でもすぐに「こんなに強い興味があるのに、それを無視したらどこかできっと後悔する。笑う人は笑わせておこう。まずは自分にできることをやってから。」そう覚悟を決めました。
その後中国系の企業で働かせてもらったり、初の深圳行きで多くの仲間と出会ってギーク中国語講座を立ち上げたり、深圳の会社でインターンをさせてもらったりしているうちに、知り合いやお友達も増え、「引っかかり」のようなものを作ることができました。また、それらの経験を通して深圳の何がすごいのか、自分なりに理解できるようになりました。
コロナ禍の影響の中、国際関係の先行きが不透明で、これまで中国を持ち上げていた界隈にも陰りが、という話も聞きます。ただ、ハードウェア開発という面からすると、深圳は世界に二つとない都市であり、その優位性は依然として変わりません。つまり、ハードウェア開発が絡まないと、なかなか「すごさ」を伝えることが難しいのですが、わかる人にはすぐわかるので、違うもの(深圳の人々は日常的に最先端の◯◯を使いこなしている、といった情報)を求めている人々にがんばって伝える必要もないのかな、と最近では思っています。
そんなわけで、私自身は引き続き「深圳脑残粉(深圳バカ)」として行けるところまで行く所存です。早くまた深圳に行けますように。
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