会社の屋上 like a Hawaii
6月くらいから会社の昼休みを屋上で過ごしている。
きっかけはバスケがしたかったから。
安西先生はいないので俺の訴えは誰にも届かなかったけど、その代わり誰にも邪魔されずバスケの練習が出来るのが会社の屋上だった。
ゴールがないからシュートの練習ができる訳じゃない。
ハンドリングやドリブルの練習しか出来ない。
それでもボールを触れる時間が作れるのが凄く嬉しかった。そういえば小学生の頃は例え10分休みでも走って校庭に出て遊んでたな。
久しぶりにそのバイタリティーが顔を出したのだ。
しばらく屋上でバスケを続けていた。
次第に暑くなり休憩が終わる頃には汗だくになるようになっていた。
お昼前には涼しい顔をしてパソコンを打っていた奴が昼休み明けに汗だくで事務所に戻ってくる。
周りの人間からしたら謎過ぎるし軽く恐怖だろう。
仕事もそれくらい情熱を持って取り組めればいいんだけど仕事に関してはいかに汗をかかないかをモットーに取り組んでいる。
7月に入るとさらに気温も上がりバスケなどしなくても照り返しだけで汗だくになるようになってくる。そうなってくるともうバスケをするのが難しくなってくる。
汗だくで事務所に戻れるならいいのだけど汗かきすぎてカラカラになり屋上でぶっ倒れる可能性すらある。
バスケをするのは諦めた。
しかし、屋上の1人の空間は好きだった。
誰もいないし密でもない。
マスクもしなくていい。
事務所の椅子も座り心地は悪くないが休憩に適しているかというとオフィス用品なのでどちらかと言うと働きやすく作られている。
休憩なのに労働を促される姿勢なんて取りたくない。
そんなこんなでバスケこそしていないものの今でも休憩は屋上で取っている。
お陰で過去最高にお出かけしていないのにハワイに行ってきたんじゃあないかってくらい日焼けしているのである。