
パリ・オペラ座の日々1993~1994:2月17日 パリ・オペラ座「ニジンスキー」⑤
2月17日
午前中は帰国のための荷造りに精を出す。クロネコ、ペリカンに電話して、とりあえず荷物のめどは立った。午後はイリフネに行って借りてた本を返して、最後のOVNIをもらって解約した。いろいろ寂しい。
マックでお昼を食べて、Etienne-Marcelへ行き一か月ぶりにシングーと再会。一時間くらい話し込んだ。お別れにと、シングーの友人の作家さん作のお茶碗を頂く。
夜はオペラ座でニジンスキー。モーランとヴァイエという配役。
マック 43F
カフェ 24F
ジュース 28F
イリフネ供託金戻り -170F
だんだん帰国準備で忙しくなってきてます。パリは国際都市ですから1990年代にはすでにヤマト、日通の事務所があって、そういう意味では便利でした。これが地方都市だったりすると荷物の発送もずいぶん苦労があると思います。
夜は「ニジンスキー」の四回目。このプログラムはオペラ座としては全12回公演のスケジュールなんですけど、帰国が迫って焦っている僕たちは、公演があればとにかく全部観る!!みたいな気合で通い詰めていました。
「ペトルーシュカ」、「ティル・オイレン・シュピーゲル」については既に少し書きましたので、今日は「春の祭典」を。
これは2013年にロシアのマリインスキー劇場バレエ(ソ連時代のキーロフバレエ団)が、パリのシャンゼリゼ劇場で公演したときの映像。「春の祭典」は1913年にこのシャンゼリゼ劇場で初演されましたので、その100周年記念公演だったみたいです。舞台の全体像をつかむには良い映像だと思います。
(踊り自体はパリ・オペラ座バレエ団のほうが何倍も素晴らしいです。とくにこの時のピエトラガラは素晴らしかったので…)
パリ・オペと比べるとちょっとテンポが速い印象ですけど、基本的には同じバージョンです。1913年の初演の後、わずかの期間で忘れ去られ失われていたニジンスキーのオリジナル振付を、1987年にシカゴのジョフリー・バレエ団が、復刻・再構築しました。
春の祭典の魅力を語るというのは野暮だと思いますが、とにかく素晴らしい舞台です。オーケストラ演奏としては日本でもしばしば上演されますけど、本来は舞踏とセットで構想されたものですから、オリジナルバージョンのバレエ作品として鑑賞する機会があればぜひ。