パリ・オペラ座の日々1993~1994:4月10~18日 勉強と穏やかな日々
あまりにもダラダラした日記が続くので、10日分くらいまとめてアップ。基本的に午前中フランス語の勉強、午後は街をフラフラという日々です。パリ全体についても、地元の町についても徐々に学習しつつある感じ。交通機関の使い勝手とか、お店の様子とかなんでもないことばかりですが、暮らすというのはそういうことなんでしょう。スーパーは何度行っても面白いもの満載で楽しいし、家での食事も感動の連続でした。牛乳、バター、パン、野菜、肉、果物まで全てが美味しい。日本がダメという意味ではなくて、また全然別の美味しさがあります。
4月10日(土)
午前中はブラインドの掃除・修理を行い、午後はイタリア広場へ向かって歩く。快晴でヴァンセンヌの森も美しく気分が良い。イタリア広場では中華街でうどん、ラーメンなど購入。プランタンにも立ち寄ってヘレンドのカップ&ポット購入。2点で1万円しないという激安。夜8時頃帰宅。もう2週間なのにあんまり観光していない。こんなことで良いのか?フランス語はずいぶん勉強してる。
イタリア広場の様子。正面の近代的な建物は丹下健三設計のグランテクラン(Grand Écran)という文化施設。大きなスクリーンという意味なので映画館とかがあったのかもしれないけど内部には入っていません。たぶんこの年に完成だったと思います。イタリア広場からすぐのところに大きな中華街があって、何度か中華を食べに行きました。
4月11日(日)
今日は復活祭(Pâques)でした。1週間ぶりにヴァンセンヌの森でジョギング。緑が濃くなってきた。復活祭を境に春が訪れることを実感。パリの子供達は今日から2週間の春休みが始まる。町のムードも穏やか。
アパートから歩いて2分くらいのサン・マンデ湖で。いつ散歩しても美しかったけど、新緑の頃はひと際素晴らしかったです。
4月12日(月)
エッフェル塔まで行き、登らずに下から観光。その後セーヌ伝いに歩いてアンバリードへ。その後サン・ジェルマン・デ・プレの辺でなんとなくビストロに入ったら、これが超絶マズくてすっかり落ち込んで帰宅。。あんなお店もあるんだねと(大型バスで乗り付けるような団体観光客目当てのお店だったんだと思います)
これたぶんその時の写真。
4月13日(火)
たるんだ一日。午前中勉強して、午後は買い物。森でジョギング。帰りに近所の市民プールをのぞいてみたら、普通に料金さえ払えば使えそうだった。こんど行ってみよう。
これはサン・マンデではなくて、フォーラム・デ・アルの市民プールの営業案内。大人は当時のレートで400円くらい。
4月15日(木)
最寄り駅のSt.Mandeサン・マンデの駅前に市場が出ることを発見!肉も魚も美味しそうなのいっぱい売ってる。洋服、ハチミツ、石鹸、花など、露店が山のように出店していた。でもお昼前に全部撤収してしまうみたい。
オペラ座でチケット売り場を確認し、バランシンプログラムのチケットを購入。窓口での購入の仕方をようやく理解した。サン・マンデの隣駅のヴァンセンヌ駅そばに美味しそうなワイン屋さん発見。
サン・マンデの駅前。手前の駐車場の部分が日曜と水曜(?)の朝7時くらいからお昼まで市場になります。小さな駅だけど、ずいぶん大きな規模の朝市で八百屋さんだけでも何軒も出てました。また後日書くと思うけど、ここで毎週のように買っていたオーヴェルニュのチーズ「カンタル」「フルムダンベール」の美味しいこと!申し訳ないけど日本のデパートで販売しているようなものとは雲泥の差でした。そのお店はこの2種類のチーズしか扱ってなくて、お腹がボ~~ンとした店主のオジサンによればオーヴェルニュから直接搬入してパリの朝市を回ってるんだよ…とのことでした。あの味は今も忘れられないです。
4月16日(金)
午前中勉強。午後はオペラ座そばのジュンク堂へ。無料の情報誌OVNIをゲット。日本、フランス双方のニュースを日本語で読めるのはたいへん有難い。日本人のオバさんが「女性自身」を立ち読みしたりしている。近くのAir Waysという旅行社で第1回目のロンドン行きのチケットを入手。往復二人で1494F。ディスカウントだけど高い出費であった。
「OVNI」(仏語で未確認飛行物体のこと)は日仏双方で発行されているタブロイド判の情報誌で無料で配布されています。フランスの色々な話題、日仏のニュース、不動産情報など掲載されていて、パリでコネクションが全くなかった僕たちにとっては貴重な情報源でした。現在も月2回のペースで発行を続けていて、web、SNSなどでの発信も行っています。
航空券を購入しているのは、ビザを持たずに長期滞在するために定期的に外国へ旅行しようと計画していたからです。フランスは観光目的だと最長3か月と決まっていたので、3か月おきに海外へ出て再入国しようとしていました。(これは後日わりとどうでも良い感じになってしまって、行きたいタイミングで海外へ旅するように変化しました。ただ滞在しているだけなら、よほどのことが無い限り咎められたりはしません。無許可で働いたりすると危険が大きいと思います)
4月17日(土)
フォーラム・デ・アル(Forum des Halles)に行ってきた。元食肉市場だった場所がショッピングモールになっている。一番線のメトロだとシャトレで降りて徒歩。ポンピドゥーに近い場所。色んなお店があって楽しい。大きなスポーツ用品店とか、Kookaiのショップとか。ここは郊外電車のRERとメトロなどが交わっていて交通の要所という感じ。
グルメガイドの「ゴー・ミヨー」を購入。ミシュランと違って少しヌーヴェルキュイジーヌ寄りということです。美味しいお店を探したい。旅行もしたいけど果たしてお金は続くんでしょうか…。
これは最近のフォーラム・デ・アルの様子。僕らが行ってた頃はもっとうらぶれた感じでした。ずいぶん改修したみたい。右下に写っているfnacというのは書籍、CD、オーディオ、カメラなどを扱うチェーン店。日本の漫画のフランス語版なんかも普通に売ってました。
4月18日(日)
出費ゼロ。パイ生地からキッシュ・ロレーヌを作る。辻静雄の「家庭のフランス料理」のレシピ。しっかりしたガスオーブンがあるのですごく美味しく出来た。夜は明日からの初めての旅行計画など検討。
フランスへ持参して帰国した文庫本が今も現役です(笑) 「家庭の~」と言いつつ、チョコレートのムースというレシピの所では「カカオ豆を買ってきて、丁寧に焙煎して香りを引き出し、それをすりつぶして作ったドロドロのペーストを使って…というくらいの意気込みがなければ…」なんて書いてあります。調理については高度な内容ですが、辻さんの軽妙な語り口が読んでいて楽しい一冊です。
<3月27日~4月17日までの家計集計>
・食費 2369F
・生活雑費 2944F
・外食費 594F
・旅費 1494F
・趣味(チケット、CD etc.) 1976F
(生活を構築するためのお金がメイン。外食はほとんどしてないし、バレエチケットもまだほんの少し。食費ばっかり…笑)
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