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N-059 メジチのヴィーナス全身像

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石膏像サイズ: H.58.5×W.19×D.18cm(縮小像)
制作年代  : 紀元前1世紀頃
収蔵美術館 : フィレンツェ・ウフィッツィ美術館
作者    : プラクシテレスに帰属(原作は紀元前4世紀)

紀元前4世紀頃に、古代ギリシャの彫刻家プラクシテレスが制作した「クニドスのヴィーナス」から派生したヴィーナス像のひとつと考えられています。ウフィッツィ美術館に収蔵されているH.1m53cmのオリジナル彫像は、紀元前1世紀頃に古代ギリシャのアテネで制作されたと推定されています。

1559年には、オルシーニ家の依頼でブロンズ複製像が制作され、スペインのフェリペ2世への贈り物とされた記録がありますので、それ以前からこの彫像は発掘され、高い評価を受けていたことがうかがえます。1638年にはローマのVilla Mediciの収蔵品目録に正式に記録されており、1677年にはメディチ家の本拠のあるフィレンツェに運ばれウフィッツィ美術館の収蔵品となっています。

両腕の修復(補足)は、Ercole Ferrata(1610-1686)というマニエリス
ムの時代の彫刻家が行いました。18世紀に入ると、ヨーロッパ各地イタリア半島を目指す“グランドツアー”が盛んになり、フィレンツ訪れた多くの外国人がこの彫像の美しい姿に魅了されました。

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 フィレンツェ・ウフィッツィ美術館収蔵 メジチのヴィーナス像 紀元前1世紀頃 (写真はWikimedia commonsより)


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