パリ・オペラ座の日々1993~1994:5月29日 「ジゼル」のチケットを購入
5月29日(土)
(雪)は相変わらず外出不可なので、(G)だけでオペラ座のチケットの買い出しに行く。帰りにJUNK堂に寄ってみたが買い物はしなかった。午後、再度(G)の髪を(雪)が切りさらにショートカットにした。
夕方サン・マンデ湖へ散歩。久しぶりに歩いた。お昼にパウンドケーキを焼いたらまあまあ美味しかった。
オペラ座チケット ジゼル 100F
パン 4F
6月10日からパリ・オペラ座で始まる「ジゼル」のチケットを購入しています。この演目は意欲的な取り組みで、スウェーデンの新進気鋭の振付家マッツ・エック版と、古典的なジャン・コラーリ&ジュール・ペロー版を同時期に日替わりで交互に上演するというものです。マッツ・エック版は舞台を精神病院に読み替えていて、動き・美術もモダンでまったく別作品と言ってよいくらい大胆なリメーク。
ジゼルという大きな舞台を、同時期に2バージョン上演してしまうというところが、このバレエ団の底力を物語っています。ジゼル以降の演目への備えもあるわけで、実質的に3つのバレエ団が合体してるくらいの層の厚さがあるわけですね。
このときのジゼルの連続プログラムは、同じ音楽、コンセプトからスタートしたものが、これほどテイストが異なる素晴らしい作品として成立させることが出来るんだということがよく理解できる公演でした。古典版については世界中で評価が定まっている名作ですから、どちらかというとマッツ・エックの取り組みの素晴らしさをより際立たせる効果があったように思います。
僕らも日本にいる頃からマッツ・エック版の存在は知っていました。ただその新奇なヴィジュアルや、舞台が精神病院であることなどを雑誌の記事で読んで、なぜ評価が定まっている古典の焼き直しに固執するのかな…などと少し懐疑的に思っていました。ところが、この舞台は一度見たらもうメロメロに虜になってしまいました。それくらい素晴らしかったのです。斬新に再構成された音楽、独特の振り付け、そしてなんといってもジゼルという女性がたまらなく愛おしく感じる、そんな舞台でした。
ジゼルのリハーサル中のモニク・ルディエール。この時のモニクは特別でした。フランス滞在中に観た舞台の中では最高のもののひとつだったと思います(なかなかNO.1は決められないですよね…笑)
マッツ・エック 控えめに言って天才的。
(写真はオペラ座の公式パンフレットからです)