K-186 勝利者の像
石膏像サイズ: H.48×W.26×D.34cm(原作サイズ)
制作年代 : 紀元前50年頃
収蔵美術館 : ルーブル美術館
出土地・年 : イタリア・ヘルクラネウム出土
紀元前5世紀頃に製作されたアルゴスの彫刻家ポリュクレイトスの一派の作品を元にして、ローマ時代に製作された複製品であると推定されています。運動競技で優勝した若者が、オリーブの冠を授けられた様子を表現しています。目は貴石で象嵌されていたようです。オリジナル彫像の唇には、薄い銅板が貼りつけられており、彩色的な効果を生み出しています。
この頭部は、長い間イタリアのベネヴェントで発掘されたものとされてきましたが、近年の調査でヘルクラネウムの古代ローマ遺跡から発掘され、両シチリア王フェルディナント2世によってベネヴェントの貴族に寄贈されたという来歴が明らかになりました。古代ローマ時代、カンパニア地方(イタリア南部、ナポリ、ポンペイを含むエリア)の裕福な貴族の邸宅の装飾に使用され、ヘルメス柱像(上部にヘルメス、または何らかの人物の胸像を載せた四角い柱状の彫刻。街道とそれ以外の土地との境界線の目印として設置されていた)の上部に設置されていたものと推定されています。
ルーブル美術館収蔵 「勝利者の像」 オリジナルブロンズ像 紀元前50年頃 (写真はWikimedia commonsより)