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パリ・オペラ座の日々1993~1994:4月3日 ヴァンセンヌの森

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(写真は6月だけど。だだっ広さが伝わりますか?)

4月3日(土)

今日は初めてヴァンセンヌの森に行ってみた。広くて美しい森。桜が咲いていて少しホームシックになった。

帰りスーパーでたくさん食品ストック買う。隣の肉屋でcote de veauを買う。1kgで125Fで高かった…。

朝食パン 7F
向かいのスーパー 水12本 43F
駅前八百屋 32F
ヴァンセンヌの森でお菓子 11F、22F
スーパー食料品 267F
肉屋 53F


パリの街には隣接する二つの大きな「森」があります。ブローニュの森とヴァンセンヌの森。ブローニュの森はご存知の方も多いでしょう。ヴァンセンヌはちょっとマイナーな感じですね。

位置関係はこんな感じ、

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🏠マークが暮らしていたアパートなので、僕らにとってはヴァンセンヌの森が圧倒的に親しい存在でした。ブローニュの森に近い16区は高級住宅街として知られている地域ですが、ヴァンセンヌに近い12区(森は12区に含まれる)、そして僕のアパートがあったサン・マンデ地区はずっと庶民的なエリアです。

アパートからヴァンセンヌの森へは本当に”すぐ”の距離で、歩いて2分くらいで森への入口のサン・マンデ湖という立地でした。だから散歩といえばヴァンセンヌの森。春から初夏にかけての日の長い時期は、よく夕食後にフラフラと散歩していました(そういう時はあまり奥までは行かなかったけど…)。治安もそれほど悪い感じはなくて、明るい時間帯であればほとんど問題無かったように思います(夏は夜10時くらいまで明るい)。

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Wikiによれば、ハイドパークの4倍、NYのセントラルパークの3倍の面積だそうでとにかく広い!行けども行けどもずっと森が広がっている。もちろん果てはあるんだけど、結局住んでる間にここが終点という場所へは一度も辿り着かなかったです(笑)

ヴァンセンヌの森のざっくりとした構成図…

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元は王家の狩猟上だった場所で、狩猟小屋から発展する形で1150年頃にルイ7世がヴァンセンヌ城を建設しました。城はその後も強固に発展し、14世紀~17世紀はフランス王の城として活躍しました。ヴェルサイユ宮殿が発展するとヴァンセンヌ城の地位は衰退しましたが、その後はポンパドール夫人が主導した国立セーブル窯の工場として活用されたり、刑務所などとして使用されました。

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(ヴァンセンヌ城。このドンジョン(天守閣の意:中世の建築物ではこう呼ぶそうです)は1337年にフィリップ5世が建設を始めたもので、中世の建築物としては最大の52mの高さを誇ります)

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(立派な礼拝堂もあります。1379年に建設着手。シテ島のサントシャペルに譲るまで、聖遺物の茨の冠はここに保管されていたとか)

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(寒い季節のヴァンセンヌ城。向こうに見えるのが礼拝堂)

森全体を公園としたのはナポレオン3世の時代で、それから植物園、動物園、競馬場、湖などの整備が進みました。

地図ではあんなに小っちゃく見えますが、パリ動物園はけっこうデカいです。ほぼ上野動物園と同じ規模だそうです(15ヘクタール)。動物園についてはまたの機会に。

ヴァンセンヌの森と、サン・マンデ湖がすぐそばだったのは幸せでした。いつでも気軽に緑の中に散歩に行けるのは楽しいものです。

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(こういうのが延々と続く。犬と一緒なら最高だし、オッサン二人組が永遠に会話をしながら歩き続ける光景によく出会いました。おしゃべり大好きフランス人)

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(広大な敷地だけど整備はすごく行き届いている。ゴミもほとんど無いし、植栽も壮大なエネルギーを費やして維持されています。とにかく美しい環境)

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(動物園もヴァンセンヌの森の一部)

(ヴァンセンヌの森の様子、城、動物園の写真はWikimedia Commonsから)


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