黄色人種であること
私は、人になめまわすような目つきで、見られたことがある。
いつ、どこで、誰に、何を、ということになるが、
8年前に、イギリスの地方都市で、若めの白人女性に、私の顔と体を、だ。
文字通り、足の先から頭のてっぺんまで見られたが、
顔を見つめられた時間が、一番長かった気がする。
その時、見つめている白人女性の心の声が聞こえてきた。
なんで、こんな顔をしているんだろう?
なんで、こんな目なの?
なんで、こんなに鼻が低いの?
なんで、こんなに顔がでかいの?
なんで、こんなに不細工なの?
なんで、こんな顔で平気でいられるの?
すごく醜いのに。
言っておくが、私は黄色人種だからっていう身体的コンプレックスを
もともと持っていたわけではないし、必要以上に委縮していたわけではない。
むしろ、英語がうまく喋れない割には、堂々とふるまっていた方だと思う。
でも、この刺してくるような視線を無視することはできなかった。
毅然とした態度ではいたが、彼女の溢れ出る侮蔑のおもいを、感じざるを得なかった。
こんな時代でも、こんな目に遭うんだな。
と思いながら、彼女が1秒でも早く、視線を外してくれることを祈った。
ニーハオ!とおどけながら挨拶されたり、目をつりあげるジェスチャーをされたり、それぐらいの人種差別は、海外旅行が少ない私にも経験はあった。
でも、あんなに露骨に、容姿の点で見下されたことは、生涯なかったので
意外と、しっかり傷ついた。
■日本在住の日本人の勘違いかも
少し乱暴なものの言い方になるけど、
日本は、日本人が思うほど、欧米人に認知されていないのではないか。
と、思う。
好かれる・嫌われる以前に、知られていないかも。
と、思ったりする。
そして、
日本という国とその特徴を知っている人でも、好きだと思ってくれる外国人は、実際のところ、その国の人口の何%ぐらいなんだろうか?
と、思う。
私の予想では、思ったより、すごく低い(1桁)イメージだ。
テレビでは、日本好きな外国人を追っかけたり、親日家を取材するような番組が、まぁまぁ流れている。
ネット記事や動画でも、似たような内容のものが多い気がする。
その結果、日本在住の日本人の大半が、
「日本は外国人に好かれている国なんだ。」と勘違いしまっているのでは?
と、思う。
■見えないカースト
私は、アジア圏の諸外国には、ほとんど行ったことがないせいか
異国の地に足を踏み入れたら、自然に、自分が黄色人種であることを意識してしまう。
そして、冒頭に書いたような、人種間の見えないカーストが、今でも(これから先も?)あるような気がする。
一方で、欧米に滞在している日本人が、白人より有色人種の外国人からいじめられることの方が多い。
と言っている話も聞く。
うわー。嫌だなぁ。そういう話。
救いがないじゃないか。両方からいじめられるって。
(看守-古参囚人-新入囚人のいじめの構造にもよく似ている)
人間がもっている性だから、しょうがない。。。???
今、欧米では、アジア人に対するヘイトクライムも沢山起きているというニュースを目にする。
でも、日本在住の日本人で、その事実を知っている人は、少ないように感じる。
もっと報道すべきことのような気もするけど、どうなんだろう?
■YMO
私が、黄色人種という言葉から、最初に連想するのは、YMOだ。
YMOの yellow は、黄色人種であることを肯定的に捉えているし、なんていうか明るいイメージ。
人種間の問題を考えるにあたって、YMOは、ある種の希望を持たせてくれる存在だとガチで思っている。
彼らの音楽だけでなく、そのグループ名に込められた意味を考えると、なかなか面白い。